内容説明
物理学者が捉えた合気と夢想剣の極意―それは武を制する脳の新しい機能、特に大脳基底核におけるドーパミンの効果。剣術から合気にいたる秘伝書解読から出発―脳の最新断層撮影実験を繰り返し、ついに物理学・脳科学・武道に新地平を開く。
目次
精神物理学!?
弓と刀
一刀流夢想剣
ベルクソンのイマージュ
柳生十兵衛とガンツフェルト
自分はどこにいるのか
極意の記述
剣術極意と本能
本能をも捉える精神物理学
武道極意とゾーン体験
ゾーン定見と脳幹の働き
方程式の発見
ささやかな方程式発見物語
ゾーン体験としての方程式発見
強要された自白の不思議
再び剣術極意に
錐体路と錐体外路
相手の錐体外路スイッチを切る
ぬけ
虚に振り回される意識
掟破りの体験
時間の遅れ
右脳が見る世界
右脳が見せてくれるもの…夢
夢想剣から合気柔術へ
脳波トポグラフィーとアルファー波
機能的磁気共鳴画像法と大脳基底核
光トポグラフィーと大脳皮質停止
夢想剣と合気の極意
おわりに
著者等紹介
保江邦夫[ヤスエクニオ]
岡山県生まれ。東北大学で天文学を、京都大学と名古屋大学で数理物理学を学ぶ。スイス・ジュネーブ大学理論物理学科・東芝総合研究所を経て、ノートルダム清心女子大学大学院人間複合科学専攻教授、専門学校禅林学園講師。大東流合気武術佐川幸義宗範門人。冠光寺眞法隠遁者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Noboru Sugiyama
1
居合の講習会の際、講師の先生がこの本についてお話くださったので、帰りの車の中からアマゾンにて注文。 今だに合気をかけるという表現が苦手で、どことなく胡散臭さを感じずにはいられないが、合気をかけた場合での脳波の変化を見ると、あながち「ない」とは言い切れないのか・・・。何も考えずただ剣を振る。技の稽古をする。この本を読んで、今はそれが上達の道だと考えて武道と向き直ろうと改めて思った。2020/03/16
mat
0
合気のしくみについて非常に科学的な分析で参考になる。2016/11/10
Takeshi Fujikawa
0
合気を会得した物理学者による、合気の理解を深めるための考察。脳の活動に特異な変化が見られると言うのが事実だとして、その解釈としてすごく興味深い説だった。2015/02/14
mat
0
改めて、本質をついたすごい内容だと思う。2014/09/12
mat
0
様々な流派や文献の研究が面白かった。 解釈は色々あると思うが、合気と絡めるのが上手だと思う。2012/02/10