出版社内容情報
思考するのはヒトだけではない。プラナリアにも「こころ」はある。大脳生理学者と哲学・心理学を結び付けた、理系・文系の垣根を取り払うこころみ。
内容説明
21世紀は脳の世紀?しかし、脳のなにを知りたいのか。現状のままで知ることができるのか。「人間」を理解するというのなら、哲学・文学・心理学との提携も必要ではないのか。本書はこのような疑問と展望にもとづいて著された。健全な哲学は生物学なのだ。プラトンのイデア論を生物にやどる「こころ」へと結びつける。扁形動物プラナリアにも「こころ」はある。「思考」はヒトだけのものではない。違いはおそらく構造の恣意的連なりの「量」だけなのだ。プラトン、ヴィトゲンシュタイン、渡辺慧、岸田秀…一見ばらばらに立つこれら先人たちを貫くひとつのもの―。在仏「みちくさ」生物学者がいどむ、理系・文系の垣根を取り払うこころみ。
目次
序章 脳の世紀について
第1章 プラトニアン生物学宣言
第2章 生物の心的活動の物質的基礎
第3章 発達した神経系とこころの問題
第4章 より総合的な理解のために