内容説明
年老いた女たちはどのように生き、どのように語られたのか。『坊っちゃん』『羅生門』から『老妓抄』『彩霧』、そして『貴婦人Aの蘇生』『西の魔女が死んだ』…。文学作品の歴史的・社会的・文化的要素にアプローチし、女性の老いをめぐる問題の根幹へと迫る画期的論集。
目次
1 老女はどこへ行くのか―“女”と“老い”をめぐる批評(老いとは何か;エイジング研究の理論;老女研究の方法)
2 老女の表象史(『坊っちゃん』―再生産労働のポリティクス;『生』―“老いゆく/病みゆく身体”の発見;『羅生門』―一九世紀末~二〇世紀初頭の老女表象;『老妓抄』と『晩菊』―尊厳の所在;『野守』『山姥の微笑』『猫の草子』―家族のなかの自死)
3 語る老女―円地文子論(年老い給ふほど、この世ならぬ美しさのみ増りて―円地文子の文学と生涯;“老い”と“女”のアンビヴァレント―『遊魂』;一九七〇年代“老いゆく身体”―『彩霧』;“書くこと”の倫理―『菊慈童』)
著者等紹介
倉田容子[クラタヨウコ]
1978年東京都に生まれる。2001年日本女子大学卒業。2006年日本学術振興会特別研究員(21COE)。2008年お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了、博士(人文科学)取得。2009年お茶の水女子大学大学院リサーチフェロー、現在に至る。お茶の水女子大学等非常勤講師。2010年千葉工業大学等非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。