内容説明
細密点描イモムシ画譜。
目次
イモムシをひらく
イモムシと食草
孵化、蛹化、羽化
連環する生態模様
イモムシ山水画
作品一覧
エッセイ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
79
彼女のライフワークはイモムシの展開図である。イモムシは無表情。毎日生きているイモムシを描いている。悩みが深かったあの頃に、毎日眺めて暮らしていた。イモムシは私自身を映し出す鏡のように感じたと。友人が情報や画像を寄せてくれた。イモムシはコミュニケーションという蝶となり、私とその人との間を飛び交う。どの絵も細密画で点描が素晴らしいが「ナミアゲハと檸檬の木」が美しい。滅多に成虫は描きませんが、個人的にはイモムシより蝶に魅かれます。虫が苦手な方は開けないでね⇒https://suzukomomoyama.com/2021/09/06
たまきら
25
展開図って…。ははは。内包物が展開されていないのはいいのか悪いのか。皮だけでいいのだろうか…。でも、結構このデザインが壁紙でも楽しいかもなあ、なんて思いながら楽しみました。ちなみに自分もイモムシの絵や蛾の絵をのんびり描きためています。2021/09/13
Toshi
21
読み友さんからの推薦本。Amazonには「虫嫌いのあなたも思わず見とれる」とありますが、ないない。虫嫌いの人はこの本を手に取るだけでもかなり勇気がいります。世の中数多の虫本がありますが、こんな本は見たことがない、唯一無二の画集。虫は好きですが、全ページに展開される、カラフルなイモムシたちの展開図に、ページを繰る指は無意識に毛虫の毛を避けている(笑)。イラガの幼虫、「ジェリービーンズのような姿にうっとり」ってあり得ないでしょう。絵も素晴らしいけど、文章も素晴らしい。虫好き必見・必読。虫嫌いの人もどうぞ。2021/08/30
チェアー
4
一級品の画集だ。 強いイモムシ愛を感じる。感じると言う言葉では生ぬるい。こちらが拒絶しようとも向こうから押し入ってくるような、それほどつよい圧のかかった愛だ。 細かな点で描かれたイモムシの体表面はまるで天の川のようだ。こんな小さなイモムシの体に無限の宇宙がある。目を向けなければ気がつかなかった。この画集を見た後では、その宇宙を見逃す事はもう無い。 2023/03/25
げんげ
2
実際の芋虫は苦手ですが何処か惹かれる部分もあって嫌いと断言できずにいました。作者のエッセイに『星をちりばめたような模様』と虫の模様を表現しており、なんて素敵な表現なんだろうかと思ったのと同時に自分の中で嫌いになれなかった理由が見つかった気がします。これまでは到底そうは思えない位の距離にいた生き物だったのに180度考え方が変わりました。それだけでも出会って良かった本でした。 絵は展開図で、顕微鏡で見た微生物を思い出しました。細部まで丁寧に描かれていて、絶妙な色使いは幼虫の呼吸を想像させられました。2021/09/09