内容説明
古代ギリシアの医師ヒポクラテスにさかのぼる格言で、「人生は短いが、医術の習熟には時間がかかる」という意味だった。やがて「アルス」の意味が拡がり、「芸術家の人生は短いが、作品は長く残る」という解釈も普及していく。時代や地域を超え、美術家が作品と一体化し、作品の中で永遠に生き続けているかのように見える例を紹介し、美術家と作品の関係を多角的に考察する。
目次
作品の中に消える美術家
第1部 美術家モニュメント(作品による礼賛;肖像から作品へ ほか)
第2部 美術家と作品の空間(家とアトリエ;不在による現前)
第3部 死と美術家(作品の前での死;死の備え ほか)
第4部 アルス・ロンガ(時と死にうち勝つ絵画;死後、生きる)
著者等紹介
シュプリンガー,ペーター[シュプリンガー,ペーター] [Springer,Peter]
1944‐2015。ドイツの美術史家。ドイツの中世と19世紀の美術を主要な研究対象とする。ハイデルベルク、ケルン、ミュンスター、ベルリンの大学で学ぶ。1973年、ベルリン自由大学で博士号取得。1979~2009年、オルデンブルク大学に勤務
前川久美子[マエカワクミコ]
美術史家。専門は西洋美術史、とくに中世の装飾写本。東京大学教養学部卒業、パリ第4大学第三(博士)課程修了。複数の大学に勤務後2010年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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