出版社内容情報
5人の女性の自傷行為をめぐるフォト・ドキュメンタリー。「 居場所 」を求めながら、自らを傷つけずにはいられなかった彼女たちの細やかな心性に、世界で活躍する気鋭の写真家・岡原功祐が光をあてる。写真60点余と文章ドキュメント約280頁。読み、見る者を圧倒する一書。
プロローグ
木部ちゃん ――耳をふさぎ、安らぎをさがす
ゆか ―――――トンネルの先に見える薄日
凪(ルビ:なぎ)ちゃん ――繰り返す日々の営み
さゆり ――――自尊心のゆくえ
ミリ ―――――期待される自分、なりたい自分
エピローグ
写真【Ibasyo】60点余
岡原功祐[オカハラ コウスケ]
著・文・その他
内容説明
「居場所」を求めながら、自らを傷つけずにはいられなかった彼女たちの細やかな心性に、世界で活躍する気鋭の写真家が光をあてる。さまざまな経験を背負ってきた5人の女性たちの自傷行為をめぐるフォト・ドキュメンタリー。
目次
木部ちゃん―耳をふさぎ、安らぎをさがす
ゆか―トンネルの先に見える薄日
凪ちゃん―繰り返す日々の営み
さゆり―自尊心のゆくえ
ミリ―期待される自分、なりたい自分
著者等紹介
岡原功祐[オカハラコウスケ]
1980年東京都出身。早稲田大学卒。南ア国立WITS大学大学院中退。2007年にフランスの写真家エージェンシーVUに参加、2010年脱退。2010年、『Ibasyo』でW.ユージン.スミス・フェローシップを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
10
2004年のかおりの「生きていて楽しいですか?」がきっかけで 「自傷行為をしている方でドキュメンタリーを撮影させていただける方を募集しています。」 木部ちゃん、ゆか、凪ちゃん、さゆり、ミリたちの物語が紡がれていく。13年間に渡る再生のドキュメントである。 写真がやけに生々しい。救急隊、救急車の中そして血のついたタオル。彼女たちの戸惑った表情。 著者の人との距離のとり方が絶妙なのか。一人を除いて新しい生き方を掴んでいく姿は簡単には言い表せないほど素敵だ。2018/07/26
うさっぴ
6
文章+写真のドキュメンタリー。この本には5人の自傷する少女たちが登場する。どの少女たちも、つらくてどうしようもない気持ちが伝わってきた。本の表紙が、シンプルで素敵。背表紙にかかる斜めの線が、自傷した傷跡を想起させて、少し怖い。2018/11/22
ミッチ
6
悲惨な時を過ごす悩める人とのカメラマンによるドキュメント作品。 誰も突発的に起こりうる、そして私自身の周辺にもこの病で悩む人がいます。 2018/05/19
aaaaki
4
自傷してしまう5名の少女たちのノンフィクションの物語。写真付きで描かれているこういった本は希有。まるで上から自分自身を眺めているような写真もあったり、見たくないけど見てしまう。文章とかでなく、こういう画で見るのはまた別物。自分だけでないのだと安堵を覚える一方で、彼女たちの現在が順調で羨ましさも覚える。何故にどうして、そんな理由なんて、明瞭明確な要因はなく突発的に生じる衝動欲望、自分の苦しみが誰かの役に立ちたいと名乗り出てくれた彼女たちは勇敢だ。ただ、本書に記載できなかったもう一人の彼女が気になる。2018/08/07
柊
3
"居場所" 安心感のある場所を求めて、探し求めているんだと感じた。 "治ったのは、自分で自分をコントロールできるようになったら治ったって言うんだと思うよ" これは彼女たちだけの話ではない。コントロールは制御ではなく、自分で自分を知り、自分が苦の状態にならないように自分め自分自身を導くこと。そしてそれは自分を大切に思わないとできない事である、ふと感じた。"自分を大切にするの意味がわからない" 自分を大切にする、それが何なのか人は探し求めて生きているのではないか。大切にしたいからこそ安心できる居場所を探す。 2019/06/17