出版社内容情報
■目次
はじめに
[I] 私、そして境界領域を訪ね歩いた半世紀
中国・青島(チンタオ)生まれ、京都・丹後育ち
科学者、レオナルド・ダ・ヴィンチを知る
「関係は存在に優位する」の思想に惹かれる
新聞社勤務は、佐賀支局から
世界デザイン会議を取材して
多彩なクリエーターたちとの出会い
企画提案と初めての海外取材
モントリオール万博での発見
日本のアート・アンド・テクノロジーへの取組み
大阪万博EXPO70が始まる
EATグループの世界的デビュー/日本人作家グループの活躍/万国博の大いなる役割
アメリカ留学中の体験
ジョルジ・ケペッシュが説く新しい表現/ソフトウエア展ほか触発されどおしの日々
M・C・エッシャーに会う
「遊び」や「科学と芸術のあいだ」を考察
動きはじめた「メディア・アート」を追って
新聞社を退職して教育の場へ
[II] 科学と芸術の相克を超える思索と試み
J・ブロノフスキー『人類の上昇』の発想
科学の発見と技術がアート表現を呼び覚ます
台頭するアート・アンド・テクノロジー運動
境界領域をつなごうとしたサイエンティストたち
「新しい科学博物館」を提案したF・オッペンハイマー
「サイエンス・アート」と呼ぶべきなのか・・・
日本のキーパーソン、伏見康治
万博、ベニス・ビエンナーレ、ドクメンタが果たしたこと
日本のアート・アンド・テクノロジー運動
ミュージアム、画廊、メディア・センターの拡大
シーグラフとアルス・エレクトロニカの隆盛
境界領域のアートを促す各国のイベント
未来のイメージ展、IMAGINA/DEAF/ISEA/韓国のメディア・アート/ユネスコ
メディア・アートの主な教育機関:海外の例
MIT、メディア・ラボ/ニューヨーク大学ITP/RCA/パリ第八大学/モントリオール大学
UCLA/USC/U.C.サンディエゴ/U.C.バークレー/ZKM/ヘルシンキ芸術デザイン大学
メディア・アートの主な教育機関:国内の例
九州芸術工科大学/筑波大学/神戸芸術工科大学/東京芸術大学、同大学大学院映像研究科
東京大学大学院情報学環/多摩美術大学/武蔵野美術大学
【III】境界領域のアート1 「動」と「光」の饗宴
キネテック・アートとその先駆者たち
フランク・マリーナと機関誌「レオナルド」/シェフェールのサイバネティック・アート
動く彫刻「モビール」の作者、カルダー/タキス、アガム、ティンゲリーの動く作品
ロボット技術との出会い
オプチカル・アート/イリュージョン・アートとの出会い
めくるめくアートが感覚に及ぼす効果/心理学者が見た夢のスケッチと無限音階
日本の錯視芸術の巨匠たち/スコット・キムと名著『ゲーデル・エッシャー・バッハ』
ライト・アートは1920年代の「ルミア」から
先人、トマス・ウィルフレッドの華麗な試み/光と影をテーマにするアーティストたち
松村泰三のライト・アートを象徴する作品/光の演出による「環境アート」の試み
ショー「レーザリアム」に代表されるレーザー・アート
立体視アートの流行は繰り返す
立体視を実現する知覚と方法の探究/プルフリッヒ効果による立体視の原理とは…
ホログラフィ・アート、驚異の美と科学
パルスレーザー開発が身近にしたホログラフィ/ホログラフィ・アートの世界的隆盛と沈静
【IV】境界領域のアート2 数学、幾何学的な造形
エッシャーとペンローズ、発想の連鎖
不可能の構造シリーズが誕生する背景/広がり続けるエッシャー・ファン
エッシャーと日本との密接な関係/不可能の構図の作品の歴史的先駆者について
メビウスの輪の発想から創造へ
万華鏡や立体模型に宿る幾何学
世界を幾何学で捉えるバックミンスター・フラー
数学者ならではの方法と作品
マックス・ビル、ピート・ハイン/ミゲロ・ベロカルのパズル式彫刻
「ルービック・キューブ」をめぐる出来事/ネルソン・マックス「球を裏返す」
【V】境界領域のアート3 電子技術による表現革命
ビデオを活かす表現者、ナム=ジュン・パイク
「ビデオひろば」に始まる日本のビデオ・アート
コンピュータ・アートの登場
CG技術の発表の場、シーグラフの発足
インタラクティブ・アートの大いなる可能性
参加型のゲーム「センソラマ」/サザランド博士のHMD開発
「人工現実」を著したマイロン・クルーガー/エド・タネンバウムと巨大スクリーン
ジェフリー・ショー「The Legible City」
インタラクティブ・アートの表現者と作品
マイケル・ネイマークの数々の試み/クリスタとローランの共作
アグネスとジェフリーの「ハンドサイト」/スコット=ソーナ・スニッブの不可思議な作品
ウォルフガング・ミュンヒと古川聖のコラボレーション/カミーユ作品はいつも詩情豊か
タミコ、民族や文化の境界から生まれる作品/タマシュが作る独特のCG世界
リュック、ハイパーカードで制作/日本のメディア・アートの第一人者
【VI】境界領域のアート4 視聴覚拡張の試み
広がるワールド・サウンドスケープ運動
風や水、街の振動を音楽に/インタラクティブなサウンド・アート
ユニークな音のパフォーマーたち/ポール・マチスが見い出したパイプの音響
日本のサウンド・アート体験
フェノメナ・アートにこめられたシュタイナー思想
「フェノメナート」展を企画
時空を超える宇宙芸術(コズミック・アート)の表現
エイセ・エイシンガとプラネタリウム/オットー・ピーネと「スカイ・アート」展
ロスとタレルの宇宙構想/ウォルター・デ・マリアの「雷を呼ぶアート」
ニューポ(牛波)の「大空絵画」/ウスマン・ハックのSky Ear計画
クルト・ホフステッターのサン・ペンデュラム計画/SOL計画/宇宙線のアート
人工衛星と共に、ときを超える計画
アース・アート、ランド・アートという環境芸術
急速に世界に広まったパノラマ・アート
球面絵画と球面写真によるパノラマ的表現
【VII】境界領域のアート5 生物学の進展と表現
脳波や脳機能が新たなアート表現を呼び込む
遺伝子によるアート(Genetic Art)はやや難解か
「匂い」をはじめ五感に訴えるアートを
【VIII】デジタル・アートとアナログ・アート
八つの相違点を考える
おわりに----メディア・アートの未来へ
内容説明
アナログからデジタルへ、その波を乗り越えた証人として、具体的、かつ温かいまなざしで、半世紀におよぶ日本のメディア・アートの歩みを俯瞰する、著者初の書きおろし。
目次
私、そして境界領域を訪ね歩いた半世紀
科学と芸術の相克を超える思索と試み
境境領域のアート(「動」と「光」の饗宴;数学、幾何学的な造形;電子技術による表現革命;視聴覚拡張の試み;生物学の進展と表現)
デジタル・アートとアナログ・アート
著者等紹介
坂根厳夫[サカネイツオ]
1930年、中国・青島に生まれ、4歳まで過ごす。その後は京都府丹後で育つ。東京大学建築学科、同修士課程修了。1956年に朝日新聞社入社。家庭部、科学部、学芸部の記者、編集委員を経て1990年に定年退職。同年4月から96年3月まで慶應義塾大学環境情報学部教授。96年4月には岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)学長となる。2001年情報科学芸術大学院大学学長を経て、現在はIAMAS名誉学長。さらに多摩美術大学美術学部情報デザイン学科客員教授(2005年4月‐)、東京大学大学院情報学環特任教授(2008年10月‐2009年3月)、名古屋芸術大学特別客員教授(2010年4月‐2011年3月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eda
メルセ・ひすい
ハンギ
TaKUMA7