耳ラッパ―幻の聖杯物語

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耳ラッパ―幻の聖杯物語

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875023739
  • NDC分類 933
  • Cコード C1097

出版社内容情報

文章も絵もいつも魅力的な女性の最も素晴らしいストーリー。文章や絵を描く女性は自らを若く見せようとするものだが、キャリントンは若いころから歳を取る喜びを感じる類い希な女性である。著者をモデルにした主人公は新しい90歳代のアリスだ………ピエール・ド・マンディアルグ(仏語版序文)


■目次より------------------------------------------------------------------------

素敵なプレゼント
光の家
調理場での奇妙な光景
サンタ・バルバラ修道院尼僧院長の生涯
モード殺人事件
反乱計画
闇夜の集会
天変地異・世界の子宮にて
聖杯の奪回



■書評------------------------------------------------------------------------

◎山形浩生氏(『朝日新聞』2003年10月5日)
「シュルレアリスム画家としても幻想小説家としても名高いレオノーラ・キャリントンの代表作。92歳の老婆が、友人に補聴器(=耳ラッパ)をもらい、家族に老人ホーム送りにされたことから生じる一大幻想絵巻。ボケ老人的な論理の飛躍が次々に繰り出される、自由連想じみた物語の奔放さは比類がない。尾ひれをつけた老婆の妄想だったものが、いつの間にやら異性物との交流に世界変革といった壮大な話にふくれあがる様子はただただ驚くばかり。ボケ老人になるのがこんなに楽しいとは!
 読み進むうちに、飛躍して見える各種の展開に、何か説明しがたい論理性が感じられてくるのも本書の醍醐味。キャリントンの描く不思議な味わいの絵とも共通する夢の論理だ。そうした絵やスケッチ、写真も何点か収録されており、様々な楽しみ方のできる味わい深い一冊。現在巡回中の「フリーダ・カーロとその時代」展にも彼女の絵があるのであわせてお薦め。 」

◎ダ・ヴィンチ(2003年10月号)
「…乳母の語るアイルランドの伝説・昔話に影響を受けた著者の描く奇想天外な幻想譚……」

◎東京新聞(8月28日夕刊)
「一癖二癖ある老人たちに独裁的な施設長夫妻、ウインクする尼僧の肖像画、殺人事件、反乱、氷河期の再来……老いの身空、妄想と覚醒の狭間をたゆたう悦楽をあなたにも」

◎産経新聞(2003年8月17日)

内容説明

老女マリアンが友人から贈られた奇妙な耳らっぱを手に、老人ホームで痛快な冒険を繰り広げる。92歳のアリスの大冒険。

著者等紹介

キャリントン,レオノーラ[キャリントン,レオノーラ][Carrington,Leonora]
1917年4月6日生まれ。一七歳で社交界デビューするが飽き足らず、父親の反対を押し切ってロンドンの美術学校に進む。1936年、ロンドンで開かれた国際シュルレアリスト展でマックス・エルンストの作品に打たれ、翌年本人と劇的な邂逅をはたす。エルンストを追ってパリ、さらには南仏に移り、シュルレアリスト・グループと交流。パリとアムステルダムの展覧会に出品するとともに、短編『恐怖の館』『卵型の貴婦人』を出版。1939年第二次世界大戦が始まり、ドイツ人のエルンストは強制収容所に送られ、キャリントンはスペインに逃れるが、精神病院に収容される。回復後メキシコ人レナト・レドックと結婚、ニューヨークへ渡りシュルレアリスト・グループと再会。1942年以降はメキシコ在住。再婚したハンガリー人写真家のエメリコ・チキ・ヴァイズとの間の二人の息子ガブリエルとパブロを育てながら、絵画、版画、タピストリー、彫刻の分野で旺盛な創作活動を続ける。1997‐98年の全国展開の個展につづき、2003年7月からは東急文化村を皮切りに、「フリーダカーロとその時代展」として、本邦初公開の絵もふくめて各地で紹介

野中雅代[ノナカマサヨ]
青山学院大学大学院文学研究科修士課程修了(英米文学専攻)。ニューヨーク大学大学院英語科に学ぶ。コレヒオ・デ・メヒコ客員研究員を経て、現在青山学院大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

261
作者はシュール・レアリスムの画家レオノーラ・キャリントン。ひじょうに難解な小説。プロットを説明するのも困難だ。物語に一応は時間の進行はあるものの、統体としての像を結びにくいのである。それはあたかも一枚の絵画空間の中に、様々なモチーフがコラージュのごとくに鏤められているかのような印象だ。そして書かれたことよりも語られなかった世界が物語の背後に重層を成して存在している。それは聖書外典であり、騎士物語で語られる以前、遥か古代ケルトにまで遡る聖杯伝説である。全編を覆うのはきわめて異教的、黒魔術的な世界観だ。2015/08/02

ケイ

107
作者は1917年生まれのシュールレアリスト画家。油ののった30代に彼女が書いたのがこの本。シュールレアリストが老婆を主人公に描くとこうなるのかと、とても愉快。年をとった事を受け入れているようで、それを肯定的に受け止めた上での合理的とでも言える考え方なんかは、メキシコへ亡命したとしてもイギリスのDNAが抜けていないようだ。めげない92歳の老婆は、歯がなく、耳も聞こえないが、友人を持ち、それなりに楽しく暮らしていた。家族に老人ホームに入れられても、めげず、溶け込み、必要なら戦いも辞さない。老女の冒険物語。2015/07/12

まふ

104
ベートーヴェンの肖像画で見たような耳ラッパをプレゼントされた92歳の元気印おばあちゃんが子供たちに老人ホームに放り込まれ、仲間の老女たちとワイガヤ生活を送る。このマリアンのお母さんは112歳でピンピンしているようだ。今日を予見しているような設定。聖杯奪回にたどり着くまでの後半の各章が面白い。とりわけ世界の子宮たる地獄での人身スープなど笑ってしまう。まさにダンテのパロディ。作者はシュールレアレストの大家とのことであるが、挿絵も味があり、彼女の絵の世界も覗いてみたい気分になった。G1000。2023/08/08

扉のこちら側

84
2016年90冊め。【118/G1000】まずタイトルが気に入って読むのを楽しみにしていた。家族の厄介者として老人ホームに追いやられた老女が、耳ラッパ(補聴器)を駆使して盗み聞き。果ては時空を超えた情報まで入手して、「聖杯探求」からの聖書で言う「終末」まで覆してしまう大活躍とは恐れ入る。そのハイパーおばあちゃんっぷりに、読んでいる最中の脳内BGMが『コンピューターおばあちゃん』だった。2016/02/12

NAO

73
92歳のマリアンが老人ホームに入所してから、いつのまにか聖杯探究の話になってしまうまで。最初の登場時点から、老女たちは度肝を抜くほど個性的。こんな個性的な老女たちが集まったら、それは何か起きないわけがないというものだ。一行ごとに話はとんでもない方向へと飛んでいき、あらすじはあるのだか、ないのだか。その持って行き方が、なんとも独特だ。ファンタジーなのか、とんでもなくシュールな話なのか。ただ、ガーディアン必読書のコミック部門の作品をいくつか読んだあとでは、それほど目新しくもなく、それほど刺劇的でもない。2019/01/13

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