内容説明
いったい人間の理性は、もの言わぬ外部世界…宇宙…と内部世界…情動脳・反射脳…の暗黙のメッセージを聴きとるほどに進化したのだろうか。人間の脳は、長い生物進化の歴史を内蔵している。人間が前期哺乳類から受け継いだ「情動脳」内で内部世界が外部世界に出会う場所が確信の座であり、この確信を定型化して表現したいという「理性脳」の衝動は、人間が爬虫類から継承した「反射脳」から生まれてくることを神経生理学的、臨床的研究によって示すことが本書の主な目的である。
目次
第1部 三つの脳の進化―知性の前駆動活に果たす役割
第2部 三つの脳と現代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
9
図書館にて。週刊ダイヤモンドの科学コラムにて、ヒトの脳の古層には哺乳類脳や爬虫類脳があるという説が現在では否定されていることを知った。本書は工作舎の翻訳本で、巻末の広告にはグールド『個体発生と系統発生』やシュレーディンガー『精神と物質』などのあいだに、ケストラー『ホロン革命』『還元主義を超えて』や松岡正剛『自然学曼荼羅 新装版』などが混じっていた。いかにも工作舎っぽい…。2023/12/19
ショウジ
6
気になるタイトルだったのでネットで購入しましたが、二度と読みません。私には難しすぎました。2016/04/12
ほに
0
著者のマクリーン、「辺縁系」という呼び名を提案した人だということを知ってちょいと驚いた(P131)。脳みその進化を爬虫類、初期哺乳類、新哺乳類の3つの段階に区分した三位一体モデルを提案している。脳のどこが人間の機能のどこそこに対応している、特定の部位が壊れると患者はこのような症状が出る、といった話が多い。ロボトミー手術が行われていたのは知っていたが、その際に「患者の"魂"に影響を残さない、という信仰を与え」たかのように思われていたとか、面白いエピソードもちらほら。