内容説明
『青い鳥』の作家メーテルリンクが綴る忍耐の博物誌。カエデのプロペラ、ミモザの戦慄き、セキショウモの悲劇、セージの愛の罠、ランの複雑な仕掛け…。花の図20余点収録。
目次
花の知恵(植物;運命;種子;果実;根;ダンス;浮遊;悲劇;炯眼;婚礼;花;発明;天才;機械;ラン;昆虫;受粉;改良;想像力;単純化;蜜腺;細工;適応;一般知性;自然;幸福;地球霊;洞窟;意志;精神)
香り
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
37
プラネタリー・クラシクスの中で、なぜか メーテルリンクはオマケ的に読もうと決めていて 特に本書は もう 絶対最後に回そうと決めていた。この邦題に 私なりの照れ臭さのようなものがあり 得体の知れない道徳的な説教をくらいそうな気がしていたのだけど。面白かった、コレ。花の知性と戦意。博物神秘学者としてのメーテルリンクの“顔”を知る。『青い鳥』もう一度 ちゃんと読もうと思う。2015/11/15
tario
14
忍耐の博物誌、帯のまんまの印象。熱量がすごい。冷静なロマンチスト。2015/06/29
樒
2
これまで読んだ何よりも花への感覚を共有できる本でした。冷静に事象を見つめる目で知る事実があり、それを損なうことなく詩的世界に捉えています。科学成長の時代的背景もあるかと。都会人の感傷ではない花がありました。唯視覚的または嗅覚的印象による空想的、叙情的な花ではなく、もっと存在そのものに迫った上でそれを愛し夢見る世界が広がります。生きる花、戦う花の魅力。某ヒットソングの根生わない花の形容の対極にあるものです。題は原題通り『花の知性』とした方が適していたと感じます。知恵のような既に磨かれ定まったものではなく→2010/05/10
ビリー
1
チルチルとミチルで有名な『青い鳥』の作者モーリス・メーテルリンク。この人は自然・特に植物に対する造詣も深いらしく、その愛と熱意を詩的な文章にまとめた自然エッセイ。2014/04/08
こさめ
0
題名が「花の知恵」なのでよくある植物の生理学的な仕組みの解説書なのか?しかし著者があのメーテルリンクということは文学的な本なのか?ということで気になっていました。読後の感想は思想書です。表現が大袈裟と思う人もいそうですが私は共感できました。2011/03/01