出版社内容情報
「もう、これ以上は無理です。しばらく休職することにしました」
子どもの力になりたいと一生懸命に考え、私事を後回しにしてでも、全力で子どもたちに向き合おうと頑張った末に、力尽きて現場から離れていく。中でも、精神疾患による休職者数はこの十年以上、ほぼ右肩上がりで増え続け、2023、24年度と2年続けて7000名を超えている。学校現場の働く環境が大変厳しくなっていることを物語る数字である。
働き方改革によって、「働きやすさ」は向上しているが、教員の「働きがい」は落ちている、という調査結果も出ている。
働き方改革が進む今、職場の同僚性(互いに助け合う姿勢)も低くなりがちだ。そんな中、どうやって教師としての矜持を持ち、子どもに寄り添えばよいのか。その答えがこの一冊には詰まっている。過酷な職場環境や困難に直面するなか、「学校をあきらめない」教師たちが懸命に子どもたちに寄り添い成長を促していく姿を映す。
【目次】
はじめに
第1章 子どもの声を聴く
そうっさ! 褒められたかったんよ〈吉瀬光子〉
①出会いは突然に? / ②金のネックレスで登場! / ③「この学校にたまり場はないのか?」 / ④「俺はもうダメだ…」 / ⑤別室指導 / ⑥一〇円ハゲ / ⑦「俺、うまれてきて良かった~」 / ⑧生き方学習~番外編 学ぶ意味を問い直す~ / ⑨卒業
尽きることのない教職の魅力
解説
?あっぱれな初期指導 / ?「一番困っているとき」を逃さない / ?学校で何を学ばせたいか
やりたいを形に~文化祭は祭りなんです~〈穂高 稜〉
①それぞれの苦しさとリスタート / ②クラスの空気が温かいんです /③合唱は先生が決めたものだから / ④立ち上がる咲希 どうする文化
祭 / ⑤颯太と涼人の「当事者性」 善雄の「苦しさ」 / ⑥私たちならではのことをやりたい / ⑦「やりたいを形に」が加速 ひらき始める善雄 /⑧「祭」の後、残ったもの学校行事への意見表明と参加を通して大きく成長する中学生たち
解説
?文化祭「成功」への異議申し立てを受け止める / ?文化祭のあり方をめぐって展開される重層的な論議 / ?「やりたいを形に」する文化祭で変わっていく生徒たち
COLORFUL〈海空みゆき〉
①温子の連絡帳 / ②「私って案外チョロいんです」 / ③行事をきっかけにつなぐ・つながる / ④「みんなと居るとき、寂しい」 / ⑤温子の当事者研究と、教員研修会 / ⑥迫真の演技 / ⑦「温子に相談したい」 / ⑧「逃げたい」と向き合う / ⑨卒業に向かって小規模校の困難の中で関係の再構築に挑む
解説
?縦のつながりをいかした活動で関係を広げる / ?活動と学びを統一的に展開する / ?再構築された関係をベースに自立を支える
第2章 育つ教師集団
紡ぐ〈風野又三郎〉
①一〇年ぶりの一年担任 / ②学級開き / ③セイのこと / ④昔の同僚、吉田先生 / ⑤学年集団をつくる / ⑥トラブル指導 / ⑦スミタにできること / ⑧紡ぐ人への信頼が、実践を豊かにする
解説
?誰一人排除しない学年集団づくり / ?陰の学年主任として、的確に企画・実践 / ?「子ども理解」を更新し、共有する
誰もが安心できる「ゆるい」学年に〈辰巳詩里〉
①はじめに / ②家庭訪問 / ③学年職員室 / ④学年職員室で過ごす子どもたち / ⑤進路選択の中で~子どもたちの生きる力は素晴らしい~子どもたちに不可欠な「ゆるい」空間をつくり出した学年職員室
解説
?避難場所から関係づくりへ / ?発達の課題に向き合う場として / ?学年職員室を成り立たせているもの
対立を乗り越えて〈村松忠彦〉
①勃発 / ②何があったのか / ③入学
内容説明
学校をあきらめない。「先生に話しをきいてもらえるっていいね」子どもとの対話、同僚との協同が学校を変える。生徒の反発や教職員の対立という難題に向き合った6つの実践とその解説を収録。ただそばにいるだけではない「寄り添い」のあり方や、一人で抱え込まない「協同する教育」を提案します。
目次
第1章 子どもの声を聴く(そうっさ!褒められたかったんよ(吉瀬光子)
やりたいを形に~文化祭は祭りなんです~(穂高稜)
COLORFUL(海空みゆき))
第2章 育つ教師集団(紡ぐ(風野又三郎)
誰もが安心できる「ゆるい」学年に(辰巳詩里)
対立を乗り越えて(村松忠彦))
第3章 子どもの発達と生活を保障する集団づくり(今、子どもたちは;中学校が再び荒れ出している?;「心の傷を持つ子」を支える)
著者等紹介
谷尻治[タニジリオサム]
1958年生まれ。京都市立中学校教員として勤務の後、2015年より和歌山大学/教職大学院教授、2024年より大阪教育大学大学院特任教授。全国生活指導研究協議会研究全国委員
木村哲郎[キムラテツロウ]
1962年生まれ。新潟県中学校教員として勤務の後、2012年より新潟薬科大学応用生命科学部准教授。2016年より同教授。全国生活指導研究協議会常任委員。雑誌『生活指導』元編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



