内容説明
郵便配達人として、今日も明日も元気に手紙を届ける花木瞳子。彼女は小さな好奇心から、配達すべき封書の中身を盗み見てしまう。そこに書かれていたのはたったの一行。「あなたは誰ですか?」。差出人の正体を追う瞳子の穏やかな日常は二転三転しながら、猟奇的な連続殺人事件へ突入していく。手紙に秘められた衝撃の真実に、あなたの心は震えあがる!郵怖探偵が挑む、お仕事ミステリー開幕!文庫書き下ろし。
著者等紹介
二宮敦人[ニノミヤアツト]
1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。WEB上で発表していた作品が大反響となり、2009年『!(ビックリマーク)』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dr2006
69
ライトなお仕事小説かと思っていたら、徐々に不安が胃の底に横たわっていくような戦慄のミステリーだった(汗)特に後半は二宮さん的な黒い味付けによって、伏線が音を立てて剥がされていく様に緊迫した。主人公花木瞳子はが立川東郵便局の配達員だ。入社3年目の彼女は、真面目に配達業務に労を尽くしていたが、ある日、自分が担当している配達区域で、差出人と受取人が同じ封書があることに気付く。そして謎への興味から封書の中身を盗み見てしまう。そこには・・・。シリーズ化しているので、続きも読んでいきたい。面白かった。2018/08/19
yukision
62
郵便配達のほのぼの系お仕事小説かと思っていたら、初っ端から主人公は配達する手紙をこっそり読むという、郵便事業への信頼を根底から覆す事態(確かに副題にはそう書いてあるけど…)。そこに引っ掛かりつつも次々と起こる不思議な郵便物の謎に惹かれて読むうち、まさかのサスペンスホラーへと怒涛の展開。確かに面白かったが、主人公の人格に不信感。2021/02/24
優花 🍯モグモグ
54
最初は軽いミステリーだと思ってよんでいたら、いつの間にか猟奇的な連続殺人へと展開していきました。グロイ描写や犯人の心理状態に理解不能な部分もありますが、花木瞳子が郵便配達人になるきっかけのくだりは好きでした。2015/05/20
Yu。
31
自分宛てに何度も手紙を送り続ける当人に興味を持ったが故に恐ろしい連続殺人事件に巻き込まれてゆく郵便配達員の恐怖と推理が描かれるサイコミステリー。。 個人の情報が他人に知られてしまうのは何もPCやスマホといったデジタルデバイスに限った事ではない‥ 人と人を繋ぐ橋渡し役を担う配達員の危うい面が垣間見れ不信感を覚えるも、それと同時に彼らの苦労も知れ、より一層感謝の気持ちが湧くという二極の面に注目の一冊。2019/01/08
異世界西郷さん
31
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の表紙を描いている方が、自身のHPで紹介していたので読んでみました。「TO文庫」なんてレーベル初めて聞いたけど大丈夫なんかな? なんて思いながら読んでいましたが、真相が段々と明かされていくにつれ、ページを捲る手が止まらなくなってしまいました。この物語は題名通り、瞳子が手紙の中身を覗いたことに端を発するサイコサスペンスですが、自分も登場人物同様にまんまと“思い込み”に騙されてしまいました。いい意味でのしてやられた感がありました。てか、橘川さん怖すぎです(´Д`|||)2014/12/19
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