内容説明
日清・日露戦争における日本軍の不法行為と戦史改ざんからみる朝鮮侵略の事実!
目次
序 「世界史のなかの近代日本」、そして「明治」という時代
1 近代日本の基礎をつくった「明治」
2 日清・日露戦争と朝鮮侵略
3 頽廃する明治―戦史の偽造/偏見の増幅/狡知の馴れ
4 未来を切り拓くための歴史認識―事実に向き合い日本の近代を再考しよう
あとがき―六〇年の「研究・執筆活動」をふりかえって
著者等紹介
中塚明[ナカツカアキラ]
1929年、大阪府に生まれる。日本近代史、特に近代の日朝関係の歴史を主に研究。奈良女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
38
「明治は栄光の時代、昭和前半は汚辱の時代」とする日本の近代史観に異議を唱える書。明治に入っての朝鮮との紛争江華島事件や東学党農民事件(東学党の乱)それに続く日清戦争、これらは日本政府によるごまかしや綿密な計画に基づく謀略があり、決して偶発的な事件等ではないことを論証。背景には古代以来の朝鮮民族に対する日本人の蔑視目線があると分析し、明治初期からの指導者のこのような欺瞞的姿勢が、昭和の大敗戦の遠因になったと主張する。確かに有り得ないことではない。近代史に対する興味深い知見が得られる書だ。2024/03/30
oooともろー
6
明治の負の歴史についての綿密な考証。第一次資料が多く、信憑性が高い。原田伊織氏とはまた違った観点からの明治批判。まあ、一部の方々にとっては「不都合な真実」でしよう…現代に続く書き換え、捏造の歴史。2019/08/01
hosikita
2
明治期日朝関係史を研究してきた著者がまたもこの出版社から出した近代日本批判の書。東学農民戦争や日清開戦時の朝鮮王宮占領など、以前の著書によって世に知られるようになった事柄もきちんと盛り込まれている。「です体」が使われるなど、一般書の体裁をとるところは賛否両論ありそうだが、広く一般に読んでもらうためにはよさそうだ。ところで、253-256頁で盧泰敦氏の研究を引き、渡来百済人による反新羅輿論の煽動が1000年以上後の日本人の朝鮮観を束縛しているとする論を紹介している。盧氏の論はもっと慎重に扱うべきだと思う。2019/08/15
ミネチュ
1
私の朝鮮半島観というのか、日本と朝鮮半島の関係に関して、私が最も大きな影響を受けたのが中塚明氏です。 その中塚氏の本ということで読んでみました。 興味深く読みました。 江華島事件でも甲午農民戦争(東学党の乱/東学農民戦争)や日清戦争でも、日本という国は嘘で固めた公式報告を出し、都合の悪い事実は無かったことにしていたことがよくわかります。2022/07/02