内容説明
この国の地金がむき出しになった。民主主義はメッキに過ぎなかったのか。戦後責任を問い植民地主義を批判し続けてきた哲学者と作家による20年の対話。
目次
1 戦後民主主義は「メッキ」だったのか(応答責任から逃避した日本の二〇年;加藤典洋氏との論争(一九九五年) ほか)
2 日本の「地金」(昭和天皇の死(一九八九年)
「言葉のあや」発言(一九七五年) ほか)
3 「犠牲のシステム」と植民地主義(この国の「犠牲のシステム」とは;「フクシマ」と「福島」 ほか)
4 「普遍主義」の暴力(日本的普遍主義とは何か;中心部日本国民の「軛」 ほか)
著者等紹介
徐京植[ソキョンシク]
1951年京都生まれ。東京経済大学教授
高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年福島生まれ。東京大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フム
9
高橋哲哉、徐京植お二人は1990年代半ばから20年余り折に触れて対話を重ねてきた。日本社会を蝕む病理を根本的に考察し、後に続く人への証言を残すべきだと考えるからだ。そこに見えてきたものは民主主義という『メッキ』がはがれ『地金』がむき出しになったのを隠そうともしなくなったこの国の現在である。地金とは明治から敗戦までに形成されたもので、敗戦して民主的な国家を目指したはずが、国家の体質、イデオロギーとして変わらず日本社会に根を下ろしていた。両氏が鋭く批判する日本の現状に暗澹もし、うなづくばかり 2018/11/05
hose1239
0
「戦後の日本の根本問題は過去の歴史のあやまちについて直視し、自らきちんと判断(ジャッジメント)できないところにある」という高橋氏の鋭い指摘。さまざまな加害責任をさいがしろにしてきた、自分を含めた日本人の歴史的責任について考えさせられた。2022/04/29
あいうえお
0
高橋のいう責任のあり方は理念型に留まってしまうのでしょう。2019/11/02
健康平和研究所
0
戦争責任について判断を避けてきたことが問題 敗戦して与えられた民主主義を自分で勝ち取って自分のものにするためにどうすればいいか?を考え行動して行きたい2019/02/20