内容説明
歴史対話を欠いたまま、「未来志向」を目指す手法は限界にきている。2005年以降、日韓両国で公開された約10万枚に及ぶ新史料を分析、長年明らかにされてこなかった日韓会談の問題部分に光を当てた画期的な研究成果を元に、もう一度、「何が未解決なのか」―原点に戻って考える。
目次
1 日韓諸条約はこうして結ばれた(第一期 敗戦/解放から第一次会談まで;第二期 一九五〇年代の日韓会談;第三期 一九六〇年代の日韓会談 ほか)
2 韓国併合条約はいつから「無効」なのか―基本関係(旧条約無効確認条項をめぐる激論;立場調整の時期;合意なき妥結を目指して)
3 「完全かつ最終的に解決された」請求権とは何だったのか―財産請求権(在朝日本人財産への関心;日本政府による「債務履行」案をめぐって;「完全かつ最終的に解決」された請求権の内容)
4 在日朝鮮人の「消去」を目指して―「在日韓国人」法的地位(対日講和条約発効までの交渉;対日講和条約からの一九五〇年代の交渉;一九六〇年代の交渉)
5 「返還」か「贈与」か―朝鮮由来の文化財をめぐって(朝鮮由来の文化財をめぐって;韓国政府による対日賠償要求調査;文化財交渉における典籍目録について)
6 竹島/独島領有権問題の帰着点は?(第六次会談―「議題化」をめぐって;第七次会談―妥結に向けて;竹島/独島領有権から見た「一九六五年体制」)
著者等紹介
吉澤文寿[ヨシザワフミトシ]
1969年群馬県高崎市生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。新潟国際情報大学国際学部教授。専攻は朝鮮現代史、日朝関係史。「日韓会談文書・全面公開を求める会」共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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