内容説明
沖縄戦で戦争孤児となった少女が村のはずれの人待ち峠で家族との再会を待ち続けているうちに、とうとう石に化身してしまったというふしぎなお話。沖縄戦終結70年―あの戦場をさまよった子どもたち、引き裂かれた家族、そして別れ、戦後の苦難…。沖縄戦研究者が描く、若い世代に沖縄戦の実相を伝えるヒューマン・ドキュメント。
著者等紹介
大城将保[オオシロマサヤス]
1939年、沖縄県玉城村(現南城市)に生まれる。沖縄県庁で沖縄県史の編纂にたずさわった後、県立博物館長などをつとめる。沖縄戦研究者としての著書のほか、作家・嶋津与志の筆名で『かんからさんしん物語』(理論社)など、戯曲「肝高の阿麻和利」「コザ物語」、映画「GAMA―月桃の花」のシナリオ作品などがある。現在、沖縄県芸術文化振興協会理事長、新沖縄県史編集委員
磯崎主佳[イソザキチカ]
1971年、神奈川県に生まれる。東京で美術教師をした後、2002年に南城市玉城に移住、創作活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かぼちゃりん@花粉症はつらいよ
8
沖縄戦を題材にした本を読むのは初めてだということに、読んでる途中で気づく。「鉄の暴風」と呼ばれる、飛行機からの爆撃や戦艦からの艦砲射撃。ガマ(天然洞窟)を利用した壕に潜む日本兵を焼き払う、火炎放射器。衰弱した避難民の命を容赦なく奪う、マラリア。米軍が占領地に造った収容所で暮らす人々。 原爆や空襲、疎開といった、私の知っている「太平洋戦争」とは違った戦争が、そこにはあって。沖縄戦について、もっときちんと勉強しないとな、と思った。2015/09/05
kira
4
沖縄戦についての実体験をもとにしたフィクション。戦争孤児になったユリという少女のこと、本土とは違い、疎開などが出てこない島での戦争、それから、熱病。沖縄の暑さを想像しながら、じとっと肌にまとわりつくような戦争の悲惨さが感じられる一冊。2022/05/17
ゆき
4
8月なので沖縄の話。今、本当に安保と絡んで時事ネタ。戦争したくないよね。2015/08/01