内容説明
親への恨みを抑圧した親が、その捌け口に子供の主体性と自尊心を打ち砕く、苛酷な虐待―東大出身現役医師で心を病んだ著者が、自身のなまなましい体験から境界性人格障害の病因を徹底解明。
目次
誕生から小学校入学まで
小学校低学年時代
弟の誕生から小学校卒業まで
中学生時代
高校時代
東大教養学部時代
東大医学部医学科時代
東大病院小児科での研修と都立府中病院時代
女子医大・心研の時代
東大大学院時代
臨床医への復帰と精神疾患の再発
最初の本格的な自殺企画
二度目の閉鎖病棟入院まで
懲罰の入院生活
自傷・そして自殺企画の習慣化
第2回H病院入院
奈落の底へ
最後の主治医との出会い、そして回復へ
著者等紹介
小石川真実[コイシカワマサミ]
一般内科勤務医。1957年生まれ。’82年東京大学医学部卒業。その後小児科医を3年間勤め、内科医に転向。17歳時に境界性人格障害とうつ病を発症し、30代半ばにピークを迎えた為、挫折と転職を繰り返したが、そんな中でも末期癌患者の在宅診療など、出会った患者、出会った仕事に常に全力投球してきた。現在もうつ症状が強く残る中、都内の病院に非常勤勤務している。自身の患者体験を活かし、一般内科外来の中で精神科領域の診療も手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすか
7
子供を持つ親として耳が痛いことも多かった。しかし著者の主張するような完璧な母親など世の中にいるのだろうか。子育ては子を産んだ瞬間から365日自分が死ぬまで続く。その厳しさを著者はわからないから安易に親を批判出来るのだろう。様々な問題点はあれど筆者の親は筆者がどんな事件を起こしても決して見放すことなくきちんと筆者を保護し尻拭いをしてくれている。なかなか出来ないことだと思う。それに関して感謝の念薄く親が完璧でないことをひたすら責めるその執着こそ異常であり病気なのだと筆者が気づかぬ限り、病は完治しないと思う。2013/06/18
NIKE
7
ヘヴィーな内容の本だった。親から受けた精神的暴力について、その影響で境界型人格障害を患い狂って行く自分の人生を赤裸々に綴っている。親に反発しながら、30すぎても密着しているさまが、奇妙。真にせまっている、とはいえグロテスクな内容で、読むのがしんどかった。2013/01/12
minami
4
この人はAmazonのレビューの低評価の書き込みに、著者であることを隠して反論や投稿者への暴言レベルのことを投稿しまくっていました。一般読者の素直な感想に対して著者が反撃するなんてあり得ません。読者がどんな感想を持つのかは自由です…という私の書き込みはたちまち削除されてしまいました。この人格的におかしい人に本を出させることで儲かっている人が身近にいるんでしょうね とにかく著者がまともではありません 2018/12/30
カムリン
4
この人、いわゆるアスペルガーの積極奇異型なんじゃないかな。母親にもそれっぽいとこあるし。発達障害が世の中に知られてない頃に二次障害を発症して、「境界性人格障害」って診断されたんじゃないかな。親を恨むのも無理ないけど、親がもっと優しかったとしても、この人は別の種類の苦悩を抱えて育つことになったと思うよ。「黄色いカレーが美味しいはずがない。欺瞞だ」としか解釈できないってことは、人の心の働きを理解できないってことだと思うし。ともあれ、許しがたいことをされたからって過剰な報復はダメだよ。過剰防衛は犯罪だよ。2014/11/17
雪
3
医者や研究者ではなく、当事者が綴った貴重な記録。当事者にしか解らない苦悩、支配の巧妙さや分かりにくさが伝わってくる。自分を美化していないのも、記録として意味があるところだと思う。読むのは中々しんどいので、元気な時がお勧めです。2013/05/10