内容説明
文部科学省は、なぜ教科書検定で「集団自決」の真実を歪めるのか!?沖縄は、なぜ島ぐるみでそれに抗議するのか。
目次
第1部 教科書検定はなぜ「集団自決」記述を歪めるのか(「平和の礎」の前で;「軍命による集団自決」をめぐって;教科書検定「住民虐殺」削除問題;「住民虐殺」から「集団自決」へ ほか)
第2部 沖縄住民が体験した「軍隊と戦争」(三度目の悪縁;自衛隊の“沖縄上陸作戦”;沖教組のパンフレット『これが日本軍だ』;久米島住民虐殺事件 ほか)
著者等紹介
大城将保[オオシロマサヤス]
1939年、沖縄県玉城村(現南城市)に生まれる。沖縄史料編集所主任専門員として沖縄県史の編纂にたずさわった後、県教育庁の文化課課長、県立博物館学芸課長等をへて、県立博物館長をつとめる。沖縄戦研究者としての著書、また作家として嶋津与志の筆名、さらに戯曲、映画「GAMA―月桃の花」などのシナリオ作品がある。現在、沖縄国際大学講師、NPO法人・沖縄県芸術文化振興協会理事長、新沖縄県史編集委員、沖縄平和ネットワーク代表世話人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無識者
13
戦争で、一個しかない人々が犠牲になったということを踏まえるのが大切だろうと思った。集団自決に関しては命令があったなかったとかは正直わからんが、ちょっとしたきっかけで自ら命を絶つまで追い込まれていたのだろう。その追い込んだ主体は米兵と取れるのかもしれないが、日本軍が追い込んだ部分が少なからずあるのでそこを認めるべきだろうと思う。2016/02/05
Machida Hiroshi
8
本書は、前半で第二次大戦末期の沖縄で起きた「集団自決」の真実を、後半では沖縄の人々が体験した沖縄戦の真実を、資料や証言から調査追求したルポです。集団自決に関して文科省は「軍の命令は無かった(というより有ったという確証はない)」という立場を取っていますが、文章化された命令書が見つからない中、これを覆すべく丹念に調査を重ねています。軍が管理している筈の手榴弾を住民に配布している時点で軍からの命令だと住民が考えるのが当然だと僕は思いますが、公式文書が無いことを理由に事実を歪曲する政府のおぞましさが怖いです。2020/08/13
出木杉
2
沖縄へ学習旅行に行く前に読んだ。「日米安保」の言葉の罠、ガマのことなどが琴線に触れた。2016/06/15
こばこ
2
沖縄に住み始めて1ヶ月半。沖縄戦終戦も近付いたので、本を読みあさる。 争点は「沖縄戦での日本軍の集団自決『強制』の有無」。 筆者は一貫して「あった」という観点で話を進めるが、その具体的な論拠はなし。とにかく「なかった」派を(「軍国主義を復活させたい」という極端なレッテル張りをして)非難するのみ。これは「真実」にも「歪曲」にも不誠実な態度。 「あった」派のすべてがこうであるとは思いたくはないが。2010/05/15