内容説明
太平洋戦争末期、勝山淳海軍中尉の人間魚雷は米駆逐艦に命中、「回天」特攻の中で出撃者と戦果を特定できた唯一のケースだ。出撃三カ月前からその時までを元同僚・部下が克明に証言、半世紀を経てインターネットで巡り会った日米の遺族や関係者が綴る平和への願いと誓い。
目次
1 「回天」とはどんな兵器だったのか
2 血染めのハチマキで突っ込んだ兄・勝山淳
3 私は勝山中尉の部下だった
4 私は勝山中尉の後続の「回天」に乗っていた
5 伝わりくる思い出、回想はわびしく
6 血染めのハチマキはこうして見つかった
7 靖国神社参拝と勝山隊長の墓参を終えて
8 戦争を知らない私と「回天」との出会い
9 学徒動員の思い出「回天特攻隊」
10 勝山淳海軍中尉の航海日誌
著者等紹介
児玉辰春[コダマタツハル]
1928年、広島県大竹市に生まれる。1988年3月まで38年間、数学教師として中学校で教員生活を送った後、児童文学を中心とした創作・講演活動に入る。2001年、若い世代に戦争体験を語り継ぐことを目的として、元特攻隊員を中心に「新世紀に戦争を語り継ぐ会」を結成。その代表を務める
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感想・レビュー
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鈴
16
横山秀夫「出口のない海」で回天を知り、特攻や回天のことをもっと知りたくて借りてみた。著者が児童書「まっ黒なおべんとう」の児玉さんだったので。しかし内容は、回天に関わった人や、その遺族などの手記で、児玉さんはそれを編集しただけであったが。特攻には「桜花」「橘花」「神龍」「咬龍」「海龍」「回天」「震洋」「伏龍」「土龍」があり、戦争体験者ですら当時、全部を知らなかったらしい。女学生らがこれらの特攻兵器を作っていた。回天に関しては、100分の1ミリというほど正確に作らなければならないものを幼き女学生たちが作っ2012/08/22
宙夜
0
図書館にて、読了。回天の特攻隊員やその家族、回天を造った女学生たちの言葉が書かれている。戦い、死ぬ覚悟が。戦争の時代に生きた人の言葉が、書かれていた。 読みやすい文章だった。