内容説明
沖縄戦開始の日の夜、「赤十字看護婦の歌」を歌いつつ陸軍野戦病院へと出発したひめゆり学徒隊。16歳の少女は、そこで何を見、何を体験し、何を感じ、何を思ったか―。砲弾の下の3ヵ月、生と死の境界線上で書き続けた「日記」をもとに戦後50年のいま伝えるひめゆり学徒隊の真実。
目次
沖縄戦のはじまった日
“軍国少女”の日々
父の反対、母の涙を振り切って
戦場へ、夜の行進
約半数が死亡した学徒隊
陸軍病院での壕掘り
三角兵舎での卒業式
砲弾の下の決死の水汲み作業
トラックでの食糧集め
ふえつづける負傷兵〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
25
NHKラジオ「朗読の時間」で。「ひめゆり」が軍人の上官の短歌、健気に水汲みをする少女をひめゆりに喩えたと知る(その短歌は確認出来なかったのだが)。同じNHKの番組で当時のひめゆりは軍国少女だったことを知る。ガマの住民を追い出し軍人の治療所にしたとか。けっこう手記は勇ましさもあるものの、最後は教育の大切さを述べている。それは事実であり、亡くなった級友を想い出すのが嫌で証言ができなかったと言う。日本の国会議員がなかったことにするなど本土との温度差を感じる。沖縄に行った人は「ひめゆりの塔」を見学して欲しい。2025/08/23
かふ
23
いろいろ勘違い部分もありラジオ朗読だから最初の方は聞き逃していた。この本が再発されたのも2025年の5月で、それで「朗読の世界」で読まれたのかもしれなかった。絶版のように書いたのだが、この本が再発されてそういうことはなかったのだ。この手記が書かれたのは、27年後ということだ。そして50年後に再発されて、さらに80年後にまた再発されたということたった。次は100年後? 宮城喜久子は当時沖縄の高校生で師範学校の生徒と一緒に陸軍から要請され「白百合学園」という急遽看護学生になったのだ。学徒動員だった。 2025/08/29
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
第2次世界大戦、1945年の3月から6月にかけて、沖縄はどこよりもひどい戦場でした。著者は当時沖縄県立第一高等学校の生徒、宮城喜久子さん。アメリカ軍が上陸する直前に「ひめゆり学徒」の一員として戦場へかりだされました。十六歳の少女がみた地獄を赤裸々に日記として綴ったものです…。2020/01/11
みー
7
長女の読書感想文の候補に。読書感想文の課題が「看護に関する話」とあったので、こちらをすすめてみた。長女と同じ16歳の少女が体験した戦争。長女はどう感じるのだろうか?読んだら感想を聞いてみたい。2017/08/09
yumani
4
ラジオ「朗読の世界」では戦後80年企画「1945年3月23日沖縄戦開戦の夜、陸軍野戦病院へと出発したひめゆり学徒隊の16歳の少女はそこで何を見、何を体験したか―。降りそそぐ砲弾の下の3カ月、生と死の境い目で書き続けた日記をもとに伝えるひめゆり学徒隊の真実」土地勘すらない私は音読される地名や距離感もなく本で確認。地図や写真の数々にヘチマ襟の服にモンペ姿の宮城さんが亡き母と同世代だったことに気づく。“あの時代”がどういうものであったのか、今でさえ“遠い沖縄”を痛感せざるを得ない。今にして強烈な読書体験だった。2025/08/29
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