出版社内容情報
医師や看護師 の仕事は、人間の生命を 預かり、守る、やりがいのある、誇りを
もてる仕事であるが、最近の医療界は 医療ミスが続出し、厳しい状況にある。
そのようなミスを犯さない、 実力のある医師になるには、どうしたらいいのか?
本書では、医学生が大学での6年間、それぞれの授業や実習に、どういう観点
から、どのように取り組んでいったら、医師としての実力をつけることができるの
か、さらには日々の学生生活をどのように過ごしたら、 医師としての素質を養う
ことができるのかが、わかりやすく説かれている。
本講座が医学生に向けて説く内容は、 論理的には看護学生にもそのままあて
はまるので、医師を看護師に、医療実践を看護実践におきかえて学ぶことがで
きる。
第12課 医学部6年間の学びの全体像を描く必要がある
(1) 6年間の学びの全体像を説くのが本来の「医学概論」である
(2) 「医学概論」の学びが6年間の学びの質を左右する
(3) 大学のカリキュラムは医師への道を示す地図である
(4) カリキュラムの歴史的変遷を概観する
(5) 教養科目が大きく削減された現代医学教育
(6) 一般教養の実力のなさが専門科目の学びを歪ませる
(7) 「人間の病気」を専門的に学ぶ前に「人間」を学ばなければならない
(8) 人間とは何かを学ぶに必須の一般教養科目
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 12 ―
第13課 人間とは何かを学ぶ一般教養の重要性
(1) 一般教養の軽視が招いた医師の質の低下
(2) 医師に必要な、人間が生きて生活している全体像の欠落
(3) 基礎医学や医療倫理の学びだけでは人間の全体像は描けない
(4) 人間は自然的外界・社会的外界との相互浸透によって生きている
(5) 自然的外界との相互浸透の歪みが人間の生理構造を歪ませる
(6) 人間を自然的外界の中に位置づける視点をもったナイチンゲール
(7) ナイチンゲールの視点は一般教養の学びによって培われた
(8) 教養科目の現状から本来の意義を見誤ってはならない
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 13 ―
第14課 人間は社会的存在であることを理解することが重要である
(1) 一般教養の実力なしに専門科目の筋道を通した理解は不可能である
(2) 人間は社会的存在である
(3) 社会的につくられた認識によって生理構造が歪んでいく
(4) 人間社会を学ぶための社会・人文科学系科目
(5) 人間社会をイキイキと描くための学びの重要性
(6) 人間社会の理解のために必要な歴史の学び
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 14 ―
第15課 医師に必要な一般教養の実力を自ら養うにはどうしたらよいのか
(1) 一般教養の実力養成は中学の教科書の論理的な学びから
(2) 全体像を描きそれを把持して部分の学びに入るのが学びの王道である
(3) 学問的一般教養の学びが科学的理論を求めさせる
(4) 医学教育の欠陥の源流をウィルヒョウ『細胞病理学』にみる
(5) 専門課程の全体像を概観する ―「基礎医学」「臨床医学」「臨床実習」
(6) 専門課程の全体像を理解する鍵となる医学教育の歴史
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 15 ―
第16課 医学教育の歴史から説く専門課程の学びの王道
(1) 医学生がカリキュラムから描く医学教育の全体像
(2) 問題基盤型学習では医師としての実力をつけることができない
(3) 専門課程の全体像をつくるのに必要な医学教育の歴史と科学的医学体系
(4) 臨床医学の前に基礎医学を学ぶ本当の意義を理解しよう
(5) 医療実践の必要性から人間の正常な構造と機能は究明されてきた
(6) ベルナールは、生理学は疾病解明のためにこそ必要であると位置づけた
(7) 医学生が辿るべき学びの王道は「臨床→基礎→臨床」である
(8) カリキュラムの中身のつながりの構造を明らかにする「医学体系」
(9) 学問的作業によって構築された「医学体系」こそが専門課程の全体像となる
(10) 専門課程の全体像とは「医学体系」の一般像である
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 16 ―
第17課 科学的医学体系から説く専門課程の全体像
(1) 「実力ある医師とは何か」のゴールを明確にして、6年間の学びの全体像を考える
(2) 「臨床→基礎→臨床」の過程的構造を考えなければならない
(3) 現代の医学教育論には体系的な科学的理論がない
(4) 「医学体系」の一般像である専門課程の全体像を概観する
(5) 病気には病気になる過程があるということの理解の重要性
(6) 「病態生理」は病気へ至る全過程の一部にすぎない
(7) 学問的に概念規定した「病気とは何か」「治療とは何か」
(8) 正常な生理構造を理論化した「常態論」 ―「生理論」との区別と連関
(9) 基礎医学を総動員するだけでは常態論にはならない
(10) 十九世紀に医学体系の構造の骨子を提示していたベルナール
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 17 ―
第18課 一般教養を土台とした専門課程の体系的学び
(1) 「医学体系」の構造論の理論的つながりを示す
(2) 「医学体系」を表象レベルで描く ―専門科目の学びを全体像に収斂するために
(3) 病気には外界との相互浸透によって生理構造が歪んでいく過程がある
(4) 自然的外界との相互浸透の歪み ―自然的外界そのものが歪んでいる現代
(5) 社会的外界との相互浸透の歪み ―現代社会がもたらす生理構造の歪み
(6) 病気への過程・回復への過程の究明は学的弁証法によって可能となった
(7) 医師の診断・治療実践の大本となる常態論
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 18 ―
第19課 医師の実力養成に必須である基礎医学の学び
(1) ワークショップにみたハワイ大学方式のPBL概要
(2) 症状へのアプローチに長けた日本の学生と、基礎医学の実力のある台湾の学生
(3) 基礎医学の実力なしには臨床問題解決の実力はつかない
(4) 医師は常態論における人間の内部構造を熟知していなければならない
(5) 人間の正常な内部構造を学ぶ解剖学と組織学
(6) 受精卵が人間の体の構造を形づくる過程を学ぶ発生学
(7) 基礎医学で学ぶのは人間という実体の構造と機能である
医学生の学び ― Propylaen zur Wissenschaft 19 ―
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