内容説明
「ベートーヴェン・フリーズ」は、ウィーン世紀末のクリムトとマーラーの、どんな類似性を示しているのか―近代から20世紀の、音楽と絵画の関係の記述。
目次
第4章 マーラーとクリムト(クリムト『接吻』とマーラー;ふたりのグスタフ;アルマという主題 ほか)
第5章 民族のイメージ(展覧会の絵―ムソルグスキーとガルトマン、そしてレーピン;死の島―ラフマニノフとベックリン;シベリウスとガッレン=カッレラ ほか)
第6章 二〇世紀―実験と激動の時代(ブーレーズの『クレーの絵と音楽』;カンディンスキーとシェーンベルク;モンドリアン―神智学とジャズ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
25
下巻の方がいい。特に「マーラーとクリムト」の章は面白い。この二人のグスタフの芸術史における位置付けの共通性――完全な無調主義に至る一歩手前のマーラー、完全な表現主義や抽象画に至る一歩手前のクリムト――、二人を結びつけたアルマのトリックスターとしての役割など、世紀末ウィーンにおける芸術家群像がよくわかる。著者は、美術評論家であり音楽評論家でありリコーダー奏者。正に、このテーマにうってつけの人物だと思う。豊富な情報量と高い見識に基づき、躊躇せずに踏み込んだコメントの切れ味がいい。時々異論もあるが、勉強になる。2019/09/10
Yoshi
3
マーラーとクリムト、ラフマニノフとペックリン、ほかにもドビュッシーの象徴主義、印象主義の話や、ミュシャとスメタナ(スラブ叙事詩の絵は東京に見に行ったので感慨深い)シャガール、カンディンスキー、パウルクレー、マティス、ラウル・デュフィなど抽象画、フォービズム関係の画家と音楽との繋がりや未来派とノイズ、サティとデュシャンやミニマルミュージックの話、武満さんとルドンも出てきていて興味深かった。 芸術を比較すると生まれる何とも言えない艶やかさ、違うものから得る相互の閃きは興味深い。2020/08/03
みかん
1
最初からマーラーとクリムトが比較されてて、マーラーの交響曲ちゃんと聞いてみようかなーと思った。あとパウル・クレーはかなり掘りがいがありそうで勉強したことないのも不思議。そしてこの本読んでてヴフテマスの名前見ることある?w2022/06/25
lovejoy
0
★★★2019/08/29
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- 和書
- イスマエルの名のもとに