内容説明
わが国が誇る世界的指揮者、マエストロ朝比奈隆の生い立ちから今日までの足跡を語るとともに、その芸術の在り方を多面的に詳述した決定書。
目次
第1章 わが人生(たどり来し道;わが回想の日々―演奏旅行のつれづれに;中国・満州時代の朝比奈隆覚え書;悠揚のシンフォニー―朝比奈隆の肖像;螺線の山登り―わが半生と音楽)
第2章 音楽論(朝比奈隆、芸術の真髄を探る;朝比奈隆の芸術;指揮者から見た作曲家と作品論;「第九」の魅力を語る)
感想・レビュー
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takashi1982
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図書館で読んだが、古書で手に入れたので再読。以前掲載された、朝比奈隆の文章や対談を収録したもの。京大法学部を出て、阪急電車の運転手やデパートの販売員を経て、ふたたび音楽の情熱を忘れられず、紆余曲折を経ながら指揮者としての地歩を固めた自身の回想が分量としては多い。最後に割かれた評論家小石忠男との対談は、朝比奈にしては珍しい指揮者論・音楽論一般を展開している。もう、この手のタイプの指揮者は日本で出現しないだろうな、と思わせる経歴に、それこそが日本クラシック音楽界の将来における不毛を予感させる。2011/01/04