内容説明
本書には大きく言って二つの目的がある。ひとつは、民俗技術とはどのようなものなのか検討し、それが現代社会の中でいかなる意義を持っているかを考察することである。そしてもうひとつは、本書で民俗技術として注目するエリと呼ばれる大型の迷入陥穽漁具について歴史的展開を跡付けながら、それが現在にまで伝承されてきた理由を究明することである。民俗技術とは生きる術である。人が生きていくための生業や生活技術である。民俗技術の多くは手仕事であり、個人レベルの創意工夫(カン・コツ)で、世代を越えて身体的・経験的に伝承されてきた為、記録されることが少ない。そこで、民俗技術について原理的検討を加えた上で、その記録保存の手法として民俗技術誌を提唱する。〈本書より〉
目次
第1部 迷入陥穽漁法の民俗技術誌(エリの民俗技術誌―琵琶湖(滋賀県)の迷入陥穽漁法―
ガンゴジの民俗技術誌―木崎湖(長野県)の迷入陥穽漁法―
スマキの民俗技術誌―涸沼(茨城県)の迷入陥穽漁法―)
第2部 迷入陥穽漁法を伝える村の生活環境誌(エリを伝える村の生活環境誌―琵琶湖岸のくらしと生業―;ガンゴジを伝える村の生活環境誌―木崎湖岸のくらしと生業―;スマキを伝える村の生活環境誌―涸沼湖岸のくらしと生業―)
第3部 迷入陥穽漁法の起源と展開(琵琶湖におけるエリの起源と展開―明治17年「魞税取調帳」の解析―;エリの造形とトウリョウの技術―「明治四十五年 漁場圖綴込帳」の解析―;迷入陥穽漁法の起源と展開―木崎湖・琵琶湖・涸沼の比較より―)
著者等紹介
安室知[ヤスムロサトル]
1959年、東京都生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了。博士(文学)。長野市立博物館・学芸員、横須賀市自然人文博物館・学芸員、熊本大学文学部・助教授、国立歴史民俗博物館・教授、総合研究大学院大学・教授を経て、現在は神奈川大学国際日本学部・教授および日本常民文化研究所・所員。専門は、民俗学(生業論・環境論)、物質文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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