内容説明
『三国志』の蜀国の舞台となった西南中国は、多民族が固有の伝統文化を保持しながら棲み分け、特異な歴史を展開してきた。現在、中国政府は西部大開発を推進し、生活様式は激変しつつある。本書に紹介の諸民族の物質文化や考古・民俗資料は、未公開の貴重な歴史的記録である。
目次
第1章 長江上流域における巴蜀文化の探究
第2章 岷江上流域新出土の南朝石仏と造像問題
第3章 四川西北部の石〓建築
第4章 黔江地区の河川交通と商品経済の歴史
第5章 黔江地区土家族・苗族の婚姻と葬制
第6章 カム地方の農業―稲作をしない米食農民の出現
第7章 西南中国の犂と犂耕文化
第8章 西南中国における鉄器加工技術とその特色
第9章 西南中国チベット族の住まいと空間利用
著者等紹介
渡部武[ワタベタケシ]
1943年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。安田学園高等学校教諭を経て、現在は東海大学教授、中国農業博物館客員教授。専門は中国文化史
霍巍[カクギ]
1957年河北省生まれ。四川大学歴史系考古専攻碩士(修士)研究生卒業(歴史学博士)。現在は四川大学教授、同大学附属博物館館長を兼任。専門は中国考古学(とくにチベット考古学)
ダニエルス,クリスチャン[ダニエルス,クリスチャン][Daniels,Christian]
1953年フィージー生まれ。豪州人。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(文学博士)。就実女子大学専任講師を経て、現在は東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。専門は中国の技術史
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