内容説明
沖縄の祭祀伝承は主に「儀礼」、「神歌」、「語り」から構成されることが多く、またこの三つの構成要素は互いに緊密な関係にあるので、この三つの構成要素を視点にし、沖縄の祭祀伝承を構造的に明らかにする。すなわち、「儀礼」を通時的に辿りながらかつての儀礼の次第を極力復原し、儀礼の本義を究明する。また、「神歌」のうたわれる(あるいは唱えられる)儀礼の具体的な場を考慮し、神歌を通時的に辿りながら、かつての神歌の本文を極力復原する。そして、神歌を内容上から段落区分し、その意味を究明する。そして、祭祀にかかわる「語り」がある場合は、語りを分析し、儀礼や神歌との対応関係を明確にしてその意義を明らかにするとともに、さらにその形成を究明する。
目次
第1章 イザイホーと名付け(久高島)
第2章 琉球の穀物起源伝承と穀物儀礼(久高島)
第3章 カンジャナシー(久高島)
第4章 ヨーカ日(久高島)
第5章 正月の神人の婚(久高島・野甫島)
第6章 シヌグのチョンジャマ(トンザマ)(伊平屋島)
第7章 ヤガン折目(粟国島)
第8章 ヤガン折目の由来譚と儀礼(粟国島)
第9章 カムス(伊良部島)
第10章 正月綱と爬龍船漕ぎ(黒島)
著者等紹介
畠山篤[ハタケヤマアツシ]
1946年秋田県大館市生まれ。岩手大学教育学部国語科、國學院大學大學院文學研究科(日本文學専攻)博士課程満期退学。岩手県立前沢高等学校教諭、國學院大學付属久我山高等学校専任講師。沖縄国際大学短期大学部国文科教授を経て、弘前学院大学大学院文学研究科教授、同大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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