内容説明
現在、日本のまちづくりNPOは、一部の比較的大きなNPOを除き、職務分担が明確な「組織」という性格を確立しているとはいいにくい。既存の組織論とは一線を画した、NPO組織論の構築が待たれているといってよい。本書では、そのNPO組織論に向けての試みとして、主としてまちづくりNPOにとっての課題として、組織論的な検討まで踏み込みたい。したがって、本書で目指すのは、従来の運動論的な「まちづくり論」から、制度としての「まちづくり」、そのアフターとしての「まちづくりNPO」についての理論化と課題の抽出である。
目次
序章 本書の目的と方法・構成
第1章 わが国におけるまちづくりとNPOの今日的概念(「まちづくり」とは何か;「NPO」とは何か ほか)
第2章 産業化以降の日本社会に見るNPOの存在理由(NPOの存在理由についての定説の検討;市民型NPOの存在理由 ほか)
第3章 制度としてのまちづくり・組織としてのまちづくりNPO(制度と組織;民間まちづくりの系譜 ほか)
第4章 まちづくりNPOの抱える課題(まちづくり運動が抱える問題;まちづくりNPOの課題 ほか)
終章 本書の知見と残された課題
著者等紹介
沢村明[サワムラアキラ]
奈良市生まれ。九州大学工学部建築学科卒業、東京都立大学大学院工学研究科中退。文化財コンサルタント、東京都庁を経て、まちづくりコンサルタントを営みながら慶応義塾大学大学院経済学研究科単位取得退学。2001年より新潟大学経済学部助教授。専門は、NPO論、まちづくり論
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