内容説明
柄にもないことを考えて、大きく深呼吸して。旅の時間だけがもたらすもの。密やかでスリリングな発見と出会いの連鎖。6年かけて、撮った・歩いた・食べた。これがぼくの「あたらしい日本地図」。
目次
長崎へ
大阪へ
松山へ
旭川へ
鎌倉へ
京都へ
鳥取へ
高知へ
盛岡へ
日田へ
新潟へ
奈良へ
金沢へ
札幌へ
山形へ
唐津へ
秋田へ
神戸へ
尾道へ
富山へ
名古屋へ
上田へ
浜松へ
番外編 いのくまさんに会いに行く
番外編 モザイク画に導かれて
著者等紹介
岡本仁[オカモトヒトシ]
1954年、北海道夕張市生まれ。大学卒業後にテレビ局を経てマガジンハウスに入社、雑誌『ブルータス』『リラックス』『クウネル』などの編集に携わる。2009年よりランドスケーププロダクツにてプランニングや編集を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
26
日本各地を旅し、名物を食し、現地の民藝を求めて、人と会う。観光というより、現地の空気を感じる、という旅をまとめたエッセイ集。やはり国内旅行は奥が深い。素敵な写真もたくさん。2019/12/18
チェアー
12
構えずにひょいと思いついたら、気軽に旅に出る。目的は一つだけでもなくてもいい。だれかに会って、少し話せたら、少し美味しいものを食べられたら、現地の空気を少し吸えたら。目的が達成できなければ、次のお楽しみにしてもいい。こんな旅ができればいいなあと思う。時間がいるのだけど。2019/08/02
ソラーレ
10
本書を読んで、私は物を購入する際、生活に必要かどうかだけで判断していた自分の考えが浅はかだったと気付いた。著者は旅先で鳥の陶器に魅了され、作り手に用途のない作品の意図を尋ねた。陶芸家は「佇まいの良いものを作り、機能より心への影響を重視している」と答えた。その考えに私ははっとさせられ、実用だけでなく心の豊かさも考えて物を選ぶ大切さを知った。2025/09/19
kuukazoo
7
羨ましい旅の記録。観光は観光なんだけど、あまり目立たないというか、非日常過ぎず、生活に近い感じ。こういうスタンスで旅をしたい。旅の目的とはなんだろう。そこにしかないからそこに行く。別に名所や有名店である必要もない。街を歩き、個人の工房で器や雑貨を買い、建築や公園を訪れ、地元の店で食事やコーヒーや酒を楽しむ。気に入れば何度も訪れたいし、新しい発見があればまた次の目的地ができる。知っている街もいくつかあったけどその中でも知らない場所がいっぱいあった。名古屋なんて毎年行ってるのに壁画なんて気づかなかった。迂闊。2019/10/25
qoop
6
日本各地を旅し、土地々々の土産を求め、料理を食べる…と書くと凡百のガイドブックや紀行本のようだが、本書は少々様子が違うと感じられた。なぜか。著者の目線は読者に媚びていない、欲するものを意識していないからだろう。あくまでも築いて/磨いてきた自分の価値観に基づき旅した記録であり、それだけでなく、その価値観をこれまでの仕事を通じて広めてきたからだ。読者を引き込み育ててきた雑誌編集者の、理想的な歳の取り方を著した一冊にも思えた。2019/10/30