内容説明
楽しい意味論の世界へようこそ!「もの」と「時間」の比較を通じて、自然言語の形式意味論の論点や方法論を学びます。本質的な問題点や概念を、できるかぎり平易にわかりやすく解説しました。
目次
第1章 はじめに―形式意味論の世界にようこそ!
第2章 指示・量化・前提
第3章 文脈依存と直示性
第4章 可能世界について―外延と内包
第5章 時制形態素
第6章 アスペクト(相)
第7章 時間副詞
著者等紹介
荻原俊幸[オギハラトシユキ]
1957年埼玉県大宮市出身。上智大学大学院、言語研究科にて修士号取得、テキサス大学オースチン校にて言語学PhD.取得。その後ドイツ、シュツットガルト大学、自然言語処理研究所研究員、東京学芸大学専任講師を経て現在、米国、ワシントン大学(シアトル)言語学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こたろう
2
「もの」について形式的意味論の観点から説明した本。時間、意味の対象などについて日本語・英語を例文として説明してある。英語のほうが研究が進んでいるためか、若干英語の説明の方が多い気がする。日本語でも詳細な例がもっと欲しかった。言語によるテンス・アスペクトの違いなどがわかる。入門書として書かれたとあるが、言語学の本など1冊読んだあとに読むのが良いと思った。2019/07/01
センケイ (線形)
2
出来事には前と結果と最中とがあるわけで時間は避けて通れないなあと思い、手に取る。この本のミソはタイトル通り、モノとの類似性と絶妙な違いの魅力か。一見抽象的な時間もある程度はモノと同様の認識ができるものと思えば安心して付き合えそうである。いっぽうでその違いに好奇心を惹かれるわけだ。時間特有の境界のあいまいさや(電車が「到着している」のはいつまでか?)、過去形であること自体が(その時刻が)「存在する」という存在命題とみなせうるという構造としての大きな違いからは、原因であれ定量化方法であれ探求心をくすぐられる。2017/12/20
八乙女かもめ
0
形式意味論の本なので、面白いは面白いのだが、形式化を避けたことで分かりやすくなってるのかは不明。自分は専門家なので、理解できてしまうので、非専門家の意見が聞きたいところ2016/04/02