丁寧体否定形のバリエーションに関する研究

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丁寧体否定形のバリエーションに関する研究

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  • サイズ A5判/ページ数 264p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784874246375
  • NDC分類 815
  • Cコード C3081

出版社内容情報

現代日本語の「バリエーション」のうち丁寧体否定形「マセン」と「ナイデス」に注目。その「規範」の成立過程及び現在の「規範意識」を明らかにし、話しことばにおける選択傾向を観察することによって、言語変化の方向性を予測する。

本書は、「バリエーション」を有する「丁寧体」に着目し、中でも、否定形に存在するマセン形とナイデス形を「ことばのゆれ」すなわち言語変異(「バリエーション」)として取り上げる。その否定丁寧形の「規範」について明らかにし、マセン形とナイデス形を実際の「話しことば」において観察することによって、丁寧体否定形に起きつつある言語変化の方向性を予測することを目的としている。研究課題として以下の3点を設定し、第1章、第2章、第3章においてそれぞれの解明を目指した。(1)マセン形とナイデス形の文法的な性質とはどのようなものか。(2)丁寧体否定形の「規範」はいつ頃どのようにして成立したのか。(3)現代日本語における丁寧体否定形の「バリエーション」(マセン形とナイデス形)は、どのような言語変化の方向性を示唆しているか。

序章
1. はじめに
2. 用語に関する検討及び定義
2.1 「ことばのゆれ」とは
2.2 「バリエーション」とは
2.3 「文体」及び「普通体」「丁寧体」とは
3. 先行研究と本書の位置づけ
3.1 「ことばのゆれ」に関する先行研究
3.2 丁寧体の言語変化に関する研究
3.3 述語形式に関するバリエーション研究
3.4 本書の位置づけ
4. 研究の概要
4.1 研究目的と研究課題
4.2 研究対象とする言語資料
4.3 研究方法と研究構成

第1章 文法論における「丁寧体」について
1.  形態論における「丁寧形」
1.1 はじめに
1.2 デスとマスの承接について
1.3 「助動詞」とは
1.4 動詞否定丁寧形の語構成について
1.5 まとめ
2. モダリティ論における「丁寧さ」
2.1 はじめに
2.2 命題とモダリティ
2.3 丁寧さのモダリティ
2.4 丁寧さはモダリティか
2.5 本書の立場―丁寧さはモダリティである―
2.6 マセン形とナイデス形のモダリティの位置づけ
2.7 まとめ
3. 第1章のまとめ

第2章 丁寧体否定形の「規範」について
1. 丁寧形の「規範」に関する通時的及び共時的検証
1.1 はじめに
1.2 丁寧形の「規範」の通時的検証
1.3 丁寧形の「規範」の共時的検証
1.4 まとめ
2. 動詞・形容詞丁寧形の「規範意識」に関するアンケート調査
2.1 はじめに
2.2 アンケート調査の概要
2.3 アンケート調査の結果と分析
2.4 まとめ
3. 第2章のまとめ

第3章 動詞否定丁寧形の「バリエーション」について
1. 先行研究によるマセン形からナイデス形へのシフト要因の整理
1.1 はじめに
1.2 主な先行研究
1.3 シフト要因の整理
2. マセン形からナイデス形へのシフトに関わる言語構造的要因
2.1 はじめに
2.2  考察の対象
2.3 後接要素によるシフト要因
2.4 前接要素によるシフト要因
2.5 否定表現における言語変化の普遍性
2.6 まとめ
3. マセン形からナイデス形へのシフトに関わる語用論的要因
3.1 はじめに
3.2 発話行為に関わる要因
3.3  「情報提供」場面におけるシフトの要因
3.4 「情報提供」場面における「否定」の伝達
3.5 「情報要求」場面におけるシフトの要因
3.6 否定疑問文のモダリティとシフト要因
3.7 「叙述系」から「実行系」へ
3.8 なぜ「実行系のモダリティ」では遅れるのか
3.9 まとめ
4. 第3章のまとめ

終章
1. 本書のまとめ
1.1  マセン形とナイデス形の文法的な性質とは
1.2 丁寧体否定形の「規範」の成立過程と現在の「規範意識」
1.3 動詞否定丁寧形の「バリエーション」に見る言語変化の方向性
2. 総合的考察
2.1 動詞否定丁寧形の言語変化について
2.2 「バリエーション」が示す言語変化の方向性
3. 今後の課題

文献資料一覧
参考文献
参考資料
索 引
あとがき

【著者紹介】
川口 良(かわぐち・りょう)
お茶の水女子大学文教育学部卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(人文科学)。専門は日本語学、日本語教育。現在、文教大学文学部教授。
横浜国立大学留学生センター、千葉大学留学生センターなどの非常勤講師、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科助手、秀明大学教授を経て、2010年より現職。主な著作に『日本語はだれのものか』(2005、吉川弘文館、共著)、『日本語教育を学ぶ―その歴史から現場まで―』(2006、三修社、共著)、『国語という呪縛―国語から日本語へ、そして○○語へ―』(2010、吉川弘文館、共著)、『日常生活日本語初級(上)(下)』(2010、大新書局)、など、訳書に『誠実という悪徳―E・H・カー1892–1982―』(ハスラム, J.著、2007、現代思潮新社、共訳)がある。

内容説明

「行きません」から「行かないです」へ。日本語話者の丁寧体否定形に対する「規範意識」の変遷を明らかにし、また現在の使用実態を観察することによって言語変化の方向性を予測する。

目次

序章(用語に関する検討及び定義;先行研究と本書の位置づけ;研究の概要)
第1章 文法論における「丁寧体」について(形態論における「丁寧形」;モダリティ論における「丁寧さ」)
第2章 丁寧体否定形の「規範」について(丁寧形の「規範」に関する通時的及び共時的検証;動詞・形容詞丁寧形の「規範意識」に関するアンケート調査)
第3章 動詞否定丁寧形の「バリエーション」について(先行研究によるマセン形からナイデス形へのシフト要因の整理;マセン形からナイデス形へのシフトに関わる言語構造的要因;マセン形からナイデス形へのシフトに関わる語用論的要因)
終章(本書のまとめ;総合的考察;今後の課題)

著者等紹介

川口良[カワグチリョウ]
長崎県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(人文科学)。専門は日本語学、日本語教育。現在、文教大学文学部教授。横浜国立大学留学生センター、千葉大学留学生センターなどの非常勤講師、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科助手、秀明大学教授を経て、2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。