出版社内容情報
国際化時代の日本語と文字を考える雑誌、『ことばと文字』の第2号。特集「日本語教育史」では、9編の論文を収録。その他、杉本つとむ、西原鈴子、河路由佳、庵功雄ほか総勢21名の執筆陣による玉稿を掲載。
「編集委員会において、秋号の「特集」は「日本語教育史」と決まり、日本語教育史研究会会長の前田均氏にまとめ役をお引受けいただいた。本号では、博士課程在籍の院生から、教育・研究の第一線でご活躍の方々、退職後ますます研究に没頭しておられる碩学、総勢21名による玉稿を掲載することができた。新涼灯火の候、御一読いただければ幸いである」(編集後記より)
【特集 日本語教育史】
日本語教育史研究の現状と課題
前田 均
W.H. メドハーストと著書『英和・和英語彙』をめぐる一考察
金沢朱美
新聞が報じた日本語教育―日露戦争前後の極東ロシア―
小川誉子美
戦前期上海に於ける日本語ブームの一考察―第一次上海事変前後を中心に―
酒井順一郎
在満白系ロシア人に対する日本語教育―1938 年建国大学の事例を中心に―
祝 利
「関東州日本語教育研究会」に見る太平洋戦争期の「日本語の国語的教授」
宋 群
タイ日本語教育史一片─「埋もれた学者」泉虎一とことば─
伊藤孝行
戦時下日本発信の「やさしい日本語」から学べること
―国際文化振興会『日本のことば』と『NIPPONGO』―
河路由佳
中国の大学における「日本語教育」ともう一つの「国語教育」
―日中友好と相互理解に貢献した神奈川県教育委員会中国日本語教師派遣事業の発端・経緯・評価から―
田中祐輔
【日本語の学習と教育 最新情報】
日本語学習と文字表記
西原鈴子
言語的マイノリティに対する言語上の保障と「やさしい日本語」
―「多文化共生社会」の基礎として―
庵 功雄
「ニホンジンの、ニホンジンによる、ニホンジンのためのニホンゴ」という幻想
ましこ・ひでのり
小学校におけるローマ字教育の問題点
溝口裕也・茅島 篤
【研究最前線】
メディアに埋め込まれる文化的アイデンティティ:
音楽タイトルにおけるローマ字表記についての考察
松田結貴
メタ言語意識の識字読解力及び語彙知識への貢献:
音韻意識と形態素意識を中心に
畠山 衛
【日本語教育の現場から】
誤用の用 浜田盛男
アメリカでの外国語教育の様相変化―現場での具体例と共に
武田典子
【エッセイ】
随想:
氏名権・人格権・アイデンティティ
―「あいまいな日本」のわたしの主張
須田 稔
中国の書家
陳黙氏・兵頭和美
【人とことば】
中学教師、黒柳勲の漢字に関する報告―『俗字略字』の意味するもの(第2回)
杉本つとむ
【Kirinukityo】