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内容説明
皇太子時代の昭和天皇に「これは奇麗で解り易い、東京に持ち帰って学友に頒ちたい」というお褒めの言葉を賜った、稀代のパノラマ絵師・吉田初三郎。初三郎の仕事を都市・建築・美術の歴史を横断するまなざしで俯瞰。「形態分析」の手法を用いて、制作者の論理を読み解く画期的な論稿。
目次
第1章 吉田初三郎とその作品(吉田初三郎の生涯;「初三郎式鳥瞰図」;「印刷折本」という複製技術)
第2章 「旅行」の風景(「旅行」の誕生;『日本交通鳥瞰図』;『鉄道旅行案内』)
第3章 「田園」の風景(描かれた「聖跡」;描かれた「日本八景」;「郊外」の描かれ方;「山水」の描かれ方)
第4章 「都市」の風景(視点場の変容;「地方都市」の風景;都市の描かれ方)
第5章 描かれた近代日本の風景(「道中図」の系譜;「俯瞰図」の系譜;「郷土」の輪郭)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
27
鳥瞰図デフォルメの天才の作品を分析している。中々楽しい。2021/06/27
チェ・ブンブン
12
大学の持ち込み可のテストで持ち込んだ武器。 「日本風景論」で松尾芭蕉以上に日本の地形をフィーチャーする必要が出たときにふと現れる天才。エジソン(発明の天才)もヒトラー(演説の天才)もそうだが、激動の時に天才は現れるものだと感じた。この本曰く、なぜ大正の広重初三郎の鳥瞰図が現実を解体して再構築しているのに綺麗だと感じるのかというと「都市の最外縁部が明確に描かれている」点と「自然と周囲の結びつきが道路を介して明確に描かれている」点によるそうだ。なるほど!2013/07/31
forest rise field
9
見ててきれい。地図というより、芸術といった方がいいかもしれない。観光地でこういう地図を見るとワクワク、来て良かったという気持ちにさせてくれます。 遠近法を巧く用いながら空から眺めている雄大さに感動!
ひこまる
6
鳥瞰図を描かせたら古今随一、どんな風景でもすべて平面のパノラマ画にしてしまう手法はまさに天才としか言い様がない。どの絵も見ているだけでタイムマシーンで過去に遡った日本各地(大陸含む)を旅している気分にさせてくれる。この本はそんな初三郎の事績や背景や解説など全て集大成されていて大変分かりやすいが、惜しむらくはA4版で一つ一つの絵が虫眼鏡でも見えにくいこと。次はもうすこし大きめの本を探してみよう。2013/01/20
Gen Kato
3
吉田初三郎を知ったことで、鳥瞰図への興味が生まれました。図版の写真が小さくて見にくいのが難点といえば難点。展覧会をやらないものか…2014/03/15