認知言語学 基礎から最前線へ

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  • サイズ A5判/ページ数 262p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784874245958
  • NDC分類 801
  • Cコード C3081

出版社内容情報

各章は2部構成で、専門に向かうための知識を学ぶ[基礎編]と、どのような試みが基礎をふまえてなされているか、研究の最前線を提示する[最前線編]からなる。入門と研究のギャップを埋めるべく編まれた新スタイルの入門兼専門書。

認知言語学の基礎をおさえつつも、どのような試みがその基礎をふまえてなされているか研究の最前線も提示することを意図した。その狙いのもと、本書2章以降の各章は[基礎編]と[最前線編]の2部構成からなる。[基礎編]では、認知言語学における基礎的なことがらをわかりやすい形で示し、この部分だけでも認知言語学入門に十分な内容になっているよう配慮した。[最前線編]では、[基礎編]での内容が、最先端の専門研究(各執筆者の研究)でどのように扱われているのかを論文のスタイルで紹介する。各執筆者の研究を直接示すことで、1.認知言語学の面白さ、奥深さを知ってもらうこと、2.基礎から研究へどのように結びつくのか、読者が論文を書くときの発想の手助けとなることを意図した。また、各章末には、より発展した学習へ導けるよう、そのトピックにおける重要文献を紹介してある。初学者が自習する場合には、まず[基礎編]のみを通読することにより、基本的な知識を身につけることができるし、学部上級レベルや大学院での演習テキストとして用いる場合には、[基礎編]で重要事項を確認したあと、[最前線編]や紹介されている重要文献を検討するといった方法も可能であろう。本書が広い範囲の読者層に受け入れられることを期待している。(まえがきより)

第1章 イントロダクション(高橋 英光・森 雄一)
 [認知言語学研究の流れと現在]
 [認知言語学による日本語研究]

第2章 カテゴリー化とプロトタイプ(鷲見 幸美)
 [基礎編]
 [最前線編] 多義語の意味のネットワーク

第3章 メタファー(笠貫 葉子)
 [基礎編]
 [最前線編] 複合的比喩「メトニミーからのメタファー」について

第4章 メトニミーとシネクドキー(森 雄一)
 [基礎編]
 [最前線編] 明示的メトニミー形式と明示的シネクドキー形式

第5章 イメージスキーマ(伊藤 健人)
 [基礎編]
 [最前線編] イメージスキーマ相互の関わり

第6章 類像性(高橋 英光)
 [基礎編]
 [最前線編] 類像性と頻度の予測力 ― 日英語の依頼表現のサイズ

第7章 文法化(大橋 浩)
 [基礎編]
 [最前線編] 名詞句から強意副詞句への文法化

第8章 主体化(王 安)
 [基礎編] 
 [最前線編] 日本語の感情形容詞述語文の主体性について

第9章 構 文(村尾 治彦)
 [基礎編]
 [最前線編] 認知構文論における構文形成と構文ネットワーク

第10章 認知言語学とコーパス(長谷部 陽一郎)
 [基礎編]
 [最前線編]ICE-GBを用いた二重目的語構文とto-与格構文の分析

【著者紹介】
森雄一(もり ゆういち)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学.茨城大学を経て,現在,成蹊大学文学部教授.
[主要業績]『ことばのダイナミズム』(共編著,2008,くろしお出版),『学びのエクササイズ レトリック』(2012,ひつじ書房),「悪文のレトリック」(2009,『表現研究』90),「認知言語学と日本語」(共著,2009,『日本語学』28-4),「明示的提喩・換喩形式をめぐって」(2003,『認知言語学論考 No.2』ひつじ書房)

高橋英光(たかはし ひでみつ)
北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学.現在,北海道大学大学院文学研究科教授.
[主要業績] A Cognitive Linguistic Analysis of the English Imperative: With Special Reference to Japanese Imperatives (2012,John Benjamins,第46回市河賞受賞),『言葉のしくみ 認知言語学のはなし』(2010,北海道大学出版会),「指示語の理解:英語のitとthat」(2004,『認知コミュニケーション論』大修館書店),Indirect Anaphors: Definiteness and Inference (1997,Leuven Contributions in Linguistics and Philology 86-1/2)

目次

第1章 イントロダクション
第2章 カテゴリー化とプロトタイプ
第3章 メタファー
第4章 メトニミーとシネクドキー
第5章 イメージ・スキーマ
第6章 類像性
第7章 文法化
第8章 主体化
第9章 構文
第10章 認知言語学とコーパス

著者等紹介

森雄一[モリユウイチ]
東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。茨城大学を経て、成蹊大学文学部教授

高橋英光[タカハシヒデミツ]
北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、北海道大学大学院文学研究科教授。主要業績、A Cognitive Linguistic Analysis of the English Imperative;With Special Reference to Japanese Imperatives(2012、John Benjamins、第46回市河賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さんかくこんにゃく

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5章までしか読んでいないが、全体を通して議論が曖昧で根拠も少なく、確固としたことはあまり言えていないように感じた。また曖昧で可能性の一つに過ぎない仮説を断定調で説明していることが多々あり、知的誠実性に欠けると感じることが多かった(引用されてないだけで根拠はあるのかもしれないが)。素人目で見ても、明らかに適当な分析も結構あり、認知言語学という分野に不信感を募らせることになった。もちろん重要な概念も提示されており、従来の言語学とは異なる視点で進む志は良いのだが、現実と理想とのギャップは大きいと感じた。2023/01/22

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