出版社内容情報
疑問文は、相手から情報を引き出すだけでなく、情報を伝えさえする。話し手の主観的な判断が疑問文にどのように反映するか、そしてそれが伝達の様相にどんな影響を与えるのかを考察する。
内容説明
本書の中心的な考察対象は、疑問文の形式を持ちながら、平叙文的な情報伝達を行っている文である。さらに、平叙文だったものが変質して情報要求の機能を担う場合についても分析・記述している。そういった文として、否定疑問文、「ノデハナイカ」という形式を持つ文、「デハナイカ」という形式の文、確認要求の「ダロウ」の文が取り上げられている。
目次
1 序論(本書の目的といくつかの前提;形式についての概観)
2 「傾き」と関連現象(否定疑問文における「傾き」について;疑問文による情報要求と情報提供;「のではないか」による不確かさの表現)
3 確認要求と関連現象(確認要求と疑問文の条件;「ではないか」による聞き手の知識の活性化について;「だろう」における判断から伝達へのレベルの移行)