画集 ヒエロニムス・ボス―その時代と作品

シューダー，ローズマリー【著】/鈴木 久仁子/相沢 和子/佐藤 真知子/岡本 珪子【訳】/神原 正明【監訳】

エディションｑ（1993/07発売）

• サイズ B4判／ページ数 272p／高さ 34cm
• 商品コード 9784874174098
• NDC分類 723.359
• Cコード C0071

内容説明

ブラバント出身のネーデルランドの画家をめぐる暗闇に、光をあてようという試みにはいろいろな方法があるだろうが、ローズマリー・シューダーは、本書の中で、ボスの作品を、その時代背景から解明しようとする刺激的な試みに着手した。著者はわずかに伝えられるボスの生涯の記録をもとに、それをとりまく歴史的世界を丹念に調べ上げ、それを彼の描いた絵画と素描とに重ねあわせて考察している。

目次

新しい自意識（自意識のめざめ）
ネーデルランドとハプスブルグ家
贖宥（免償）
貴族
人文主義者（フマニスト）
魔女の槌
ス・ヘルトーヘンボス〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[燕]

魅了されつつ、謎の多いボッスの作品を、ボッティチェリの物語を描いた作家がアレゴリーや図像学に頼ることなく、当時の社会状況と描かれたものからストレートに受け取ろうとする作者の姿勢は古い本だがむしろ新鮮。快楽の園でその論は感動的にピークに達する。「彼は夢を見ていたのである-中略-彼は全てを包括する正義を見た。男であろうと、女であろうと与えられねばならぬ正義、そして肌の黒い人にも異教徒にも与えられねばならない正義を夢見たのである。悦楽の園は１つの夢である」権力ではなく常に人間に寄り添う画家の姿に心が躍った。

2016/06/25

[ユーディット]

図版が素晴らしい

2010/03/15