内容説明
爆発的な売り上げを記録し、映画、アニメの制作など「もしドラ」現象を引き起こした。この「もしドラ」の「人間主義的マネジメント」の陳腐さと、その背後に潜む様々な問題を鋭く抉る。
目次
第1章 マニュアル的な「もしドラ」の構成(「もしドラ」の構成と「孫引き」の問題;教則本的「もしドラ」;大学でどう学ぶのか;「もしドラ」読者の「下流志向」)
第2章 「もしドラ」の人間主義的マネジメント(ドラッカーとマルクス;「もしドラ」の人間主義的マネジメント;人間主義的マネジメントの変遷とその現実;非正規雇用者が三割を超える日本での「もしドラ」)
第3章 単純な「もしドラ」のマーケティング論(マーケティングを重視する「もしドラ」;「もしドラ」の「感動のマーケティング」;マーケティング生成の再確認;「もしドラ」マーケティング論の問題;「もしドラ」マーケティング論とマーケティング研究の差)
第4章 「もしドラ」と危険な「自己啓発セミナー」との共通点(自己啓発セミナーの危険性と「怪しさ」;「精神的傷」を持つ「もしドラ」の登場人物たち;「他者」のいない「もしドラ」の問題性;なぜ「もしドラ」は高校野球をモデルにするのか;「甲子園」という「全能感リスク」)
第5章 「もしドラ」現象の底流にあるもの(人間主義的マネジメントと感情労働;顧客情報を重視する経営管理;「下流階層」とは;下流ほど「個性」重視;「もしドラ」に進むもの)
著者等紹介
江上哲[エガミサトシ]
1948年、福岡県に生まれる。博士(商学)。1998‐1999年ジョンズ・ホプキンス大学政策研究所客員研究員。九州国際大学経済学部教授を経て、現在、日本大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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