内容説明
民権政社として出発した玄洋社が、何故“大アジア主義を標榜する国家主義団体”と見なされるようになったのか―。玄洋社を有名無名の群像として捉え、その運動史を初めて明らかにした、まず繙かれるべき書。
目次
1 今なお、虚像がまかり通る玄洋社
2 玄洋社発掘―福岡近代史のある断面(民権の嵐;たぎる熱気;民権と国権;向陽社秘話;北陸遊説 ほか)
3 玄洋社史の周辺(頭山満と玄洋社―その封印された実像;『近世快人伝』と奈良原至;選挙干渉と杉山茂丸;総長室にかかる孫文の書;孫文と福岡―生誕一三〇年に寄せて ほか)
著者等紹介
石瀧豊美[イシタキトヨミ]
1949年、福岡市に生まれる。大学は物理学科で、独学で歴史研究の道に入る。イシタキ人権学研究所所長、福岡地方史研究会会長、福岡県地方史研究連絡協議会(福史連)副会長、(社)福岡県人権研究所理事、福岡教育大学非常勤講師。明治維新史学会、教育史学会、軍事史学会に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
0717
11
日本が戦争に至った淵源として戦後GHQに解散させられた玄洋社。今では一切語られる事もなく、歴史教科書からも抹殺されてますが、明治期から昭和にかけて重要な役割を果たしていたと思います。設立趣意は 第一条皇室ヲ敬載ス可シ 第二条本国ヲ愛重ス可シ 第三条人民の主権ヲ固守ス可シ にあり、今でも全く真っ当だと考える。封印された実像を開封する良書。2018/03/20
Ohe Hiroyuki
3
本書は、玄洋社=右翼・国粋主義者というレッテル張りに疑問を持った著者が、丹念に資料にあたって調査してまとめたエッセイ集である。▼通して読む玄洋社の実像が見えてくる。設立趣旨の三箇条は性格を表しているように思うし、満州義軍の存在や孫文とのかかわりは玄洋社の人々のエネルギーを感じるところである。▼現代を生きる私達自身が思うところであるが、人が一生で出会う人たちの関係性を総て解き明かすのは難しいものである。▼社員名簿や孫文とのかかわりを抜粋した記事もあり、一種の事典としてみることもできる一冊である。2022/01/19
onepei
0
列伝のようになっていて、全体像がつかみづらかった。巻末の資料は充実。2011/04/12
-
- 和書
- 三笠宮崇仁親王