内容説明
ファシズムと軍靴の音が高まる1920年代―シベリア出兵の実体験に裏づけられたリアリズムで農民の生活や軍隊の本質を生々しく描き、反戦文学に画期をもたらした黒島伝治。プロレタリア文学運動の変遷を辿りながら、今日、あらためて彼の作品を検証する。
目次
「軍隊日記」
シベリア出兵と黒島伝治
反戦小説へ
プロレタリア文学の幕開きから展開へ
農民小説二編
青野季吉の「目的意識論」とその前後
「シベリア物」の佳作
「プロ芸」「労芸」そして「前芸」
「シベリア物」の名作と「穴」
蔵原惟人の統一戦線提唱から「ナップ」へ
「氾濫」と再び「シベリア物」
長編「武装せる市街」へ
「老芸」の分裂から文戦打倒同盟へ
弾圧の嵐の中で
「血縁」執筆からその死まで
著者等紹介
山口守圀[ヤマグチモリクニ]
1932年、福岡県生まれ。1953年、同人誌『文学世代』同人。1970年、同人誌『渦流』同人。日本民主主義文学会会員
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