内容説明
民権と国権の相克から誕生し、インドの独立、孫文の中国革命の支援など、アジアの自立に向けて活動した玄洋社。頭山満らの足跡を克明に追い、彼らが夢見た世界とその実像に迫る。
目次
源流―玄洋社前史
燎原―民権から国権へ
東亜―西欧列強からの独立
異彩―玄洋社の周辺
深憂―玄洋社の苦悩と頭山満の死
敬愛―玄洋社解散と頭山満の素顔
著者等紹介
井川聡[イカワサトシ]
1959年生まれ。1983年、読売新聞西部本社入社。鹿児島支局、福岡総本部、本社社会部を経て、現在佐世保支局長
小林寛[コバヤシヒロシ]
1960年生まれ。1985年、読売新聞西部本社入社。山口支局、福岡総本部、本社社会部を経て、現在山口総局に在職
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
0717
14
政治家でもなく、軍人でもなく、思想家でもなく、財界人でもないけど、明治、大正、昭和に絶大な人気と影響力を持った人物。西郷隆盛の後継者の様な印象。戦後は右翼の巨魁などと呼ばれて一切語られず、玄洋社も大陸侵略の先兵などとしてGHQに解散させられる。本書を読めばむしろ大陸出兵には反対しており、玄洋社がもっと力を持っていたら戦争にはならなかったとの言もあとがきで紹介されている。郷土の偉人をもっと知りたいと思う。2017/03/26
greenman
3
頭山満は、明治から太平洋戦争の中頃まで生きた人で、その生涯は一貫して無私であり、在野をもって尊しという人物だった。世間のイメージでは、頭山は右翼の巨魁となっているが、真実の姿はまったく違っている。戦後、玄洋社も頭山も戦争を助長したことで忘れ去られるが、実際は助長どころか反対していたのだ。本書の最後にある、頭山のお孫さんの一言が忘れられない・・・「頭山は白というか、空というか、何もない人」 この本を読めば、それがどういう意味なのかわかってもらえるだろう。2010/01/23
松本
2
頭山満は偉大だと思うが、著者の歴史認識に違和感を感じた。戦後生まれの新聞記者・・戦後自虐史観と戦後イデオロギーに塗れた視点しか感じない。頭山満については、もっと冷徹に取り組む視点を持つ他者の書いたものを読みたいと思った。2021/02/09
タ カ ヒ ロ
1
小林よしのりの大東亜論から頭山満に興味を持ち始め、彼にまつわる本を読むようになった。今こそ頭山満を再評価すべき。玄洋社の三原則こそ真の保守ではないだろうか。2018/03/25