内容説明
「誰にも裸を見られてはなりませぬ」海神の国の帝・キリイの肉体には秘め事がある。もしそれが暴かれれば、自分は殺され、この国は敵国ギメイルの侵略を許すことになるだろう。だが、素性の怪しい薬師のスザクに不敬を働かれ、秘所を見られてしまった。「刀を収めろ。まるで乱暴された姫君のようだぞ」そう嗤うスザクに、キリイは憎悪と疑惑とともに妙な安らぎを覚えて―!?快楽の闇の中で探り合うような関係。それはこの世界の運命をも動かし始める―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
辺辺
31
積本崩し。面白い、面白いぞ。流石沙野さん。見事に物語を纏めたって感じ。今回の主役はダークな次男・キリィ。体の秘密とか、心のコンプレックスとか、読むに連れてどうしても同情してしまう。そんな彼には同じくダークな薬師スザクがあてがわれる。最初のほうこそ、体だけ繋げて、心まで上手くいかない二人だが、空、地、海の三国大戦の末にたどり着いた結果、良き伴侶となり、めでたし。脇悪役キャラのユアハも救われてほっ。って、攻の尻を狙うとか、神聖な口を穢すとか相も変わらず悪趣味な処も実に沙野さんらしい。奈良千春さんの神絵も萌え♡2019/02/11
Kira
19
再読。このワダツミ三部作は実によくできていると思う。三冊合わせても600ページほどなのに、むだのない凝縮されたストーリー展開でお腹いっぱいになる。恋人たちの物語だけではなく、しっかりした世界観を持ったファンタジーだから、何度読んでも飽きないし、感動する。作品の世界を的確に映したイラストも素晴らしい。2023/01/24
だむ
16
Kindle Unlimited。ワダツミ兄弟シリーズ最終巻。面白かった~!一番腹黒そうなキリイのお話。国の存亡をかけて兄弟カプもいっぱい絡んでくるのでめちゃくちゃ濃い内容だった。ハヤテ×ユアハにも萌えた~。大満足♡2020/01/12
マシュ
15
シリーズ3冊目。海神の末裔の印である花鱗が出ず、偽りの花鱗でワダツミの国の帝を務める次男キリイの話。とにかく最初からずっときな臭い男だったキリイでしたが、キリイが一番ワダツミの国と民の事を想っていることは真実。自分が資格のない帝であるということに苦しみ、悪夢にうなされ頭痛に悩まされる日々。どの薬師でも言霊師でも痛みを和らげることが出来ない中、胡散臭い薬師が現れる。薬師の素性の謎、キリイ自身も知らない己を流れる血の謎、ワダツミの国への侵略行為、シキが寄り添う国の危機、読み応えある1冊だった。2019/08/26
ヨンヨン
12
3部作ラストは次男。面白かった。謎だったキリイの苦悩。これまでの集大成として、まとまった。にしても、あとがきにあった裏萌え笑った。2019/03/03