内容説明
なぜ、山頭火は人々を刺激してやまないのか。山頭火の句の磁力を内在的に辿り、放浪することの普遍的な意味を抽出し、俳句的表現と放浪との有機的な結びつきに論を進めていく。種田山頭火論であると同時に、文学のなりたつ根っこへ発せられた問いかけでもある。
目次
第1章 山頭火俳句の小宇宙(「遊び」と「私」性のはざま;松はみな枝垂れて南無観世音;分け入っても分け入っても青い山 ほか)
第2章 自由律の夢の跡(涸れきった川を渡る;鉄鉢の中へも霰;短律句のアポリア ほか)
第3章 旅と庵住の間(放浪と表現;日記の灰のこれだけか;平常心の方へ ほか)