内容説明
本書は、九州臨海域および長崎の歴史・文化遺構を異文化のクロスした重要な舞台とみなして、近隣諸国との文化交流の現場それぞれの歴史・文化の堆積を具体的・論理的に分析・考察し、環境位相の解明を試み解説。
目次
第１部 文化環境の原理的考察（三浦梅園とカントに見る自然観―思考法の比較思想的考察；環境問題と文化；都市環境と芸術―ヴァルター・ベンヤミン『シャルル・ボードレール』とジークフリート・クラカウアー『オッフェンバック伝』を都市論として読む；メディア環境と文化―Ｆ・キットラーの文化媒質理論；「牢篭」小考）
第２部 臨海域の文化環境（唐寺・唐人屋敷をめぐる文化交流―院・庵・居；長崎とイギリス―もうひとつの交流４００年；河川環境と文化―中島川アーチ石橋技術の伝播ルート推察と橋を巡る文化的背景の検討；近世対馬と陶山訥庵―陶山農政の展開と挫折；九州沿岸部における巫女の伝統―対馬、壱岐を中心に）
第３部 アジアの文化環境（東アジアの文化環境の形成―中国と日本の文化伝播を中心として；近代日本論と歴史認識；「人間・自然関係」の語られ方―マレー世界をめぐる語りを素材として）
