内容説明
戦後のドイツ財政調整発展史において、州相互間の水平的な財政調整という、戦前期ドイツにはなかった制度はいかにして「発見」されたのか。今回の日本語版では、補論を二つ追加して、ドイツ財政調整の戦後から現代までを扱う構成とした。
目次
1 合同経済地域における財政調整
2 基本法における財政基本規範への道:ヘレンキーム湖の憲法起草集会と議会評議会
3 1950年から54年の間の垂直的財政調整の具体化をめぐる争い―利害の割合による方式、及び連邦による所得税・法人税の一部要求法
4 1950年度から1955年の財政改革の間の州間財政調整の具体化
5 1955年財政改革
6 改革から改革へ―1955年と1969年の間の財政調整
7 1969年の財政基本規範改革:改革前史とその実現
8 1970年から1990年の間の財政調整の具体化の続行
9 財政基本規範と連邦制国家
補論1 連邦制による問題解決―東の諸州を1995年以後の全ドイツ的財政調整に組み込むことについて
補論2 ドイツ統一の財源調達と財政政策の改革の停滞