内容説明
本書は、1917年のロシア革命から20年代末のいわゆる「上からの革命」に至る時期を対象にして、ソヴィエト青年組織コムソモールの実態、及びその組織の主要構成員とされた青年労働者の社会的相貌を明らかにすることを直接の課題とする。そして、その作業を通じて、ソ連の政治過程における青年組織・青年問題ファクターの重要性を検討し、加えて、約七十年間にわたり続いたユニークな歴史的存在であるソ連政治秩序に関して、何らかの新たな知見を獲得しようと試みるものである。
目次
序論
第1部 共産党政治システム形成過程における青年組織(1917年革命における青年組織―コムソモールの前史的考察;共産党政治システムの成立とコムソモールの確立)
第2部 ネップ期コムソモールの実像(ネップ期コムソモール員の実像;青年労働者やコムソモール員に広がる社会的「病理現象」;危機に直面するコムソモール)
第三部 スターリン体制形成過程におけるコムソモール(活性化するコムソモール;「自立的」組織としてのコムソモールの終焉)