内容説明
本書では、自己運動あるいは視対象の運動によって生じる、網模上での光の分布パタンの変化、つまり網模上の光学的運動がどのような情報を我々に提供し、それを実際どの程度我々が利用できるのかを、両眼網模像差、形、陰影、経験などから分離して実験心理学的に明らかにしようと試みている。特に、人間が前進する際に見る光景を想定して、前方、側方、地面などの3次元構造や観察者との位置関係を、光学的拡大からどの程度正確に知覚することができるのかという点の解明に焦点をあてている。
目次
第1章 網膜像の光学的運動の分類
第2章 光学的拡大における3次元構造の知覚
第3章 複合運動による3次元構造の知覚
第4章 総合論議