内容説明
新羅第27代善徳女王は朝鮮史上初の女王であり、仏教を取り入れた治世や、人材育成と登用の妙で三国統一の礎を築いたことなど、評価されるべき功績は少なくない。だが、これまでの新羅史研究は、もっぱら金春秋と金〓(ゆ)信という英雄にスポットライトが当てられ、善徳女王の偉業を矮小化してきた向きがある。本書は正史とされる『三国史記』および『三国遺事』と、筆写本『花郎世紀』を中心に据え、現在もなお民衆の心に残る母のような女王の真実の姿と、自由奔放な新羅の社会を浮き彫りにし、既成史観をくつがえした刮目の書である。
目次
女王の誕生
新羅最高のファム・ファタール、美室
誰を王にすべきか
日本の国宝彫刻の部・第一号と香りのない牡丹の花の秘密
善徳女王はなぜ幾人もの夫を迎えたのか
金〓(ゆ)信、金春秋と血盟を結ぶ
試練を乗り越え、女王の座に就く
片思いの火鬼、志鬼
国じゅうを仏心で満たす
善徳女王の予知力と金春秋の危機
天の岩戸に隠れる
〓(とう)利天の女神、三国を統一する
著者等紹介
キムヨンヒ[キムヨンヒ]
韓国・梨花女子大学大学院で国文学修士号取得、〓(けい)園大学大学院国文科で文学博士号取得。現在、壇国大学で女性学・ジェンダー学を教えている。韓国古典女性文学会、韓国民謡学会会員。大学卒業後1人の女性として、そして母親として生きていく中で、歴史上の女性たちに興味を持つ。これまでの成果をもとに、『黎明期の女性の名唄考』『ファン・ジニとイ・メチャン研究』『善徳女王の即位条件と説話についての研究』など女性関連の論文を発表。韓国初の女王であり、悲運の君主であった善徳女王に興味を持ち、彼女の足跡を求めて、韓国各地はもちろん日本にも足を運び、古代史料を丹念に読み解いた末『善徳女王の真実』を刊行。新羅最大の謎とも言える善徳女王の生き様を復元するに至る
クォンヨンス[クォンヨンス]
韓国ソウル生まれ。世明大学日本語学科副教授。文学博士。会議通訳者。高麗大学日本語日本文学科卒業。九州大学大学院国語国文学科にて『源氏物語』を研究し、博士後期課程修了。日本滞在中は、福岡FM放送のレポーターのほか、コラム執筆、通訳、翻訳などに携わる。帰国後、韓国教育放送(EBS)の日本語講座の講師を担当し、2004年に出版した『日本語会話辞典』(NEXUS)は、電子辞書、アプリケーションともにロングセラーとなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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