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内容説明
アニメビジネスの中核にありながら、その実像が見えにくく、また日本ではあまり注目が集まらない「プロデューサー」という職業。そもそも「プロデューサー」とは、何をする役職で、どんな資質が求められるのか?また、制作会社、テレビ局、ビデオメーカー、それぞれの「プロデューサー」は何が違うのか?大ヒット作を送り出し、今なお最前線で活躍する5人のプロデューサーが、「プロデュース」の本質と、アニメ業界の進むべき未来を語る。
目次
第1章 石川光久(プロダクションI.G)「プロデューサーにとっての天敵は、めんどくさがること」(プロデューサーの仕事とは;クリエイターとのかかわり方 ほか)
第2章 南雅彦(ボンズ)「お題をどうやってうまく料理するかが、この仕事の面白さのひとつ」(人生を決めた『伝説巨神イデオン』;できあがる作品とスタッフ構成の妙 ほか)
第3章 安田猛(角川書店)「編集者はプロデュースもディレクションもできる」(プロデューサーの仕事は「ビジネスの創出」;根底は編集者 ほか)
第4章 対談 内田健二(サンライズ)×大月俊倫(キングレコード)「困った時、誰かに相談しようと思うようでは向きません」(出会い;プロデューサーへの道 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
19
2011年の本なので業界の環境が異なっていたり、紹介されている作品に時代を感じる点があるのは仕方ない。それを差し引いてもプロダクションI.Gの創業者である石川社長、ボンズ創業メンバーの一人である南社長の話はプロデューサーの枠を越えて、商業と制作意欲を同時に満たす作品づくりや人材を競わせて成長させる、資金繰りの工夫など視野の広さを感じるもので読んでいて面白かった。社長が話すので制作を決めた時の裏話も面白かった。I.Gとボンズの他にKADOKAWA、サンライズ、キングレコードの方もインタビューを受けています。2021/02/16
まさる
4
アニメプロデューサーは一般的なドラマや映画映像のプロデューサーとは違う。作り手と非常に近い存在であることが印象に残った。これは規模が比較的他の映像業界に比べて小規模かつ、多くのアニメーターという個性と対峙しなければならない状況がそうさせたものであろうと思う。各社のプロデューサーからは、一時期賑わせた『クールジャパン』とも言える海外への熱は比較的距離を置いていることが面白い。日本という特殊な空間で成長したアニメを海外にどの様に展開いくかというより広い視野が求められていると感じた2015/12/21
nalo
3
監督はよく聞くけどプロデューサーってどんな役割か?資金集め、ビジネス展開、クリエイターの支援などいろいろ視点があるのを知る。サンライズ内田氏の「相談できる人、泣きつける人がいたら、その人はプロデューサーではないよね。触媒は、自力で化学反応を起こせるから触媒なんだし」という言葉、キングレコード大月氏の「テレビ局がこういってます、広告代理店がこういってます・・・それを言った瞬間に、僕は伝書鳩になってしまうわけです。それはもはやプロデューサーではない」が印象的。2012/04/01
バードさん
2
厳しい言葉がいくつかあり、参考になった。が、彼らの言葉を鵜呑みして考えないのも違うかなと思う。アニメプロデューサー面白そうな仕事だ。2018/06/28
ハンギ
2
サンライズは制作しかいなくて、監督もアニメーターもフリーという、そんな環境で制作進行といえども、プロデューサーたりえないといけない、みたいな話が面白いです。プロデューサーはどうやら、仕事を作る人らしい。だが、いまのご時世は仕事が多いらしいので、ただ仕事を作るだけでもなく、利益をあげないといけない、みたいらしい。そのためのチームが本来的には製作委員会なんだろうなあと思いました。プロデューサーとして生き残った人たちが出てきて喋ってて、すごいなあと思う。内田さんと南さんは演出やりたかったんですね。2017/02/13