目次
序章 生い立ちから終戦まで
第1章 偶然が重なって映画の世界へ
第2章 衝突を経て築かれた円谷英二との信頼関係
第3章 美術監督への就任と円谷英二との別れ
第4章 東宝から独立してアルファ企画を設立
第5章 座談会2004年新春特美サミット(井上泰幸;青木利郎;豊島睦;高木明法;好村直行)
第6章 アメリカの特撮ファンが語る特美の魅力とその軌跡
第7章 スペシャルインタビュー富山省吾(元・東宝映画社長)―「井上美術」あってこその東宝特美
第8章 座談会現役クリエイターが語るミニチュア特撮の魅力(庵野秀明;出渕裕;樋口真嗣;三池敏夫(司会))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
80
「井上泰幸展」のショップで見かけた本なのだけど、図書館で調べたらあったので借りてみた。画像はそれほど多くはないが、井上泰幸が自ら語る特撮の歴史が実に興味深い。円谷英二とぶつかり合いながら、強い信頼感で結ばれた二人。これまで、円谷英二のみに脚光が当てられがちだった特撮は、井上泰幸を始めとした多くのスタッフによって作り上げられたものだったのだ。「井上泰幸展」で見た沢山のスケッチやイメージボードを思い出しながら、特撮の魅力に浸った。井上泰幸の関わった映画の数々を見直したくなってくる。2022/04/01
bura
71
正月気分で楽しく読めたのが、この「特撮映画美術監督 井上泰幸」である。怪獣映画で幼い頃育った私は、盆暮れといえば東宝の特撮映画だった。井上泰幸は円谷英二特技監督と共に怪獣映画の黄金時代を築いたスタッフの一人である。戦後新東宝から東宝に応援に行き「ゴジラ」の美術に加わる。その後東宝特撮美術を支え、ラドンやモスラや日本沈没を作ってきた美術監督という名の「職人」である。この本はインタビューを中心とし、当時の資料や写真を楽しめる一冊。東宝特撮の「世田谷のニオイ」が正月には持って来いなのだ。2025/01/01
ぐうぐう
10
日本映画の中で特撮は、子供向けだと業界の中でも一段見下されてきた歴史がある。その特撮の中でも特美と呼ばれる美術班は、さらに偏見を持って、正当な評価を得られずに来た。しかし、この本を読むと、特撮における美術監督が、いかに大きな存在であったかを知らされる。特美監督・井上泰幸は、日本の特撮を牽引した円谷英二に仕えながら、様々な斬新なアイデアと創意工夫で、ときには円谷と激突しながらも、東宝特撮映画を支えてきた。その功績は、ある意味、円谷以上ではないかとすら、本書を読むと思えてくる。(つづく)2012/02/21
Souichi Tsuji
1
特撮ファン必読の書。2012/01/08
未読太郎
0
恩師に才能を認められ、その分野で活躍するよう諭されても 自分で違う道を選んでいく。かっこいい。 特撮の様々な写真や資料が見たかったんだけどな!2014/12/25