内容説明
映画とは、社会を映す「鏡」である。半世紀以上にわたり世界中の映画を見続けてきた佐藤忠男が今あらためて“映画をどう見るか”を解き明かす注目の映画論。
著者等紹介
佐藤忠男[サトウタダオ]
1930年新潟県に生まれる。国鉄職員、電電公社員、『映画評論』『思想の科学』編集長を経て、映画評論家となる。以後、漫画、教育全般にわたる幅広い評論活動を展開。日本映画学校校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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半色
2
同じアメリカ同時多発テロをテーマにしているのに国によって表現方法が違う、日本とアメリカのヒーロー観とホラーの違い、そのあたりがおもしろかった。映画が好きで、たくさんみてる人なら楽しめる一冊。2014/02/19
wang
1
同じようなテーマを扱った映画でも、国によって時代によって取り扱い方が違う。それによってその時代その国の人々が何を考え何を求めているのかが見えてくる。まず当然自己正当化から視点が変われば取り上げ方も変わる戦争映画でわかりやすく示す。面白かったのはヒーローの描き方。西部劇の英雄や民衆の描き方が初期から徐々に変化する様、それがイタリアあるいは日本に移植されさらに米国に戻るとという所は面白かった。歴史的真実とは違いそのテーマを通して作者は何を語ろうとし観客はその時代に虚構に何を求めたのか。2013/02/11
中川苦行
0
その国によって歴史やら文化が影響するというのを各国と日本を比較にして書かれていて面白かった。イラン映画の撮影(湾岸戦争の2年前に撮影)は命がけで3日ごとに場所移動しながら撮った話など、馴染みのない国の映画事情などにも触れていて興味深い。邦画も文化的な部分をもっと掘り下げて見ると楽しく見れるのかも。映画を見る方法を広げるヒントになった。2013/05/24
サトル
0
タイトルから想像するに、てっきり世相を映し出した映画作品の社会派的解説が語られていると思ったら、とんだ的外れで看板に偽りありの中味だった。出だしから「映画は、個人の、国家の自惚れ鏡である」という命題を掲げて口火を切っているが、どうにもこうにも説得力に欠けて、挙句の果てには「アメリカ映画と日本映画の共通する特色のひとつに、放浪する英雄の神話がある」と高らかに詠っているが、何がどうして結びつくのかさっぱり分からない。本職の映画解説も微々たる内容で、考証の欠片もない退屈な散文が散らかっているだけの本だった。2019/03/21
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