内容説明
アメリカの成功神話の夢に殉じた、オーソン・ウェルズと並び称される幻の映画監督。その凄絶な生の軌跡。
目次
シャンパンで乳離れ
高貴なる身の義務
トルコの歓喜
地上に下りた貴族
笑いつつ退場
ロマンスの泉
西部の呼び声
むこうみず
気楽な暮らし、または『街は春風』
先例
放蕩息子
狂気と奇跡
恋人たち
感情の転移
フランス再訪
閉じた円環
コーダ
作詞楽曲リスト
演劇作品リスト
フィルモグラフィ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fritzng4
3
これまで読んだ映画関係者の伝記の中でも群を抜いて面白い。特に前半生。スタージェスの母親はあのイサドラ・ダンカンの友人だったそうだ。一風変わった母の影響でアメリカとヨーロッパを行き来し定住することのなかった少年時代。この時期に培った経験が後の創作に大きな影響を与えたことは想像に難くない。脚本家が監督をするというなんて今では当たり前だがスタージェスこそがパイオニアだった。享楽的でいつでもポジティブだった彼が時代に取り残され撮れなくなった晩年の生活は非常に哀しく映る。それにしてもよく手紙を書く人だったようだ。2024/01/17
HK
0
スコセッシの『アビエイター』(04)でデカプ演じるハワード・ヒューズが郊外の金持ち区に墜落するじゃん。ほんで火だるまになるけど誰かが助けてくれるじゃん。でもヒューズは相手に謝礼ひとつしなかった。代わりに当時ヒューズと組んで映画作ろうとしていたスタージェスが自分の店での飲み食いをタダにして接待した…とか興味深いエピソードが満載です。オカンのこととか。2013/05/26